
兵庫県内で特殊詐欺の被害が増えている現状を受け、神戸北署が弁当宅配事業者と連携し、独り暮らしの高齢者に対策や心得を説いたチラシを配布している。県警によると、1~9月の認知件数(暫定値)は536件で、昨年の425件をすでに上回り、被害額は約12億円。被害者の半数以上が70歳以上の高齢者で、同署は「身近に注意をしてくれる人がいない独居高齢者に意識を高めてもらいたい」とする。(村上晃宏)
同署と有馬署によると、1~9月の神戸市北区の認知件数は、昨年同期比の5倍以上の32件で、同市内の20%を占める。特殊詐欺とみられる不審電話の相談件数は145件あり、昨年同期比で104件増となっている。神戸北署の捜査幹部は「高齢化率が高く、比較的、富裕層の多い北区はホットスポット。振り込め詐欺に関わったとみられる容疑者を逮捕した際、押収した名簿に北区民が多い」とする。
