国内外の約2万人が港都を駆け抜けた。19日に開かれた第7回神戸マラソン。きりりと冷え込む中、ランナーたちはひた向きにゴールへと足を進めた。沿道では、応援や街の魅力を伝えるイベントや応援も盛んに続いた。エールは潮風に乗り、選手たちの胸に届いたはずだ。
神戸市役所前のスタートセレモニーでは、仙台市から訪れた南材木町小学校の5、6年生7人が、神戸高校の生徒と一緒に「しあわせ運べるように」を合唱した。東日本大震災からの復興への思いを込めて澄んだ歌声を響かせた。
7人は同小の「南の星合唱団」に所属。合唱にはフレンドシップランナーで女優の尾崎亜衣さん、由衣さん姉妹も加わった。神戸高校2年で合唱部部長の俣野未羽さん(17)は「小学生から大切に歌ってきた歌を多くの人に届けられてよかった」。南材木町小6年の女児(12)は「みんなの心が明るくなるようにという思いを伝えられた」と満足そうだった。
同小合唱団には神戸新聞社の高士薫社長から感謝状が贈られた。
「鉄板、チャチャチャ、粉もん、チャチャチャ」。長田区南駒栄町では、そろいの黄色いTシャツに身を包んだ地元住民ら約100人がお好み焼き用のコテをテンポよく打ち鳴らし、30キロ地点を超えたランナーにエールを送った。
NPO法人「KOBE鉄人プロジェクト」が第1回神戸マラソンから続ける応援。粉もんシンガーこと「鉄板コテ之介」さんが音頭をとる「三三コテ拍子」に合わせ、元気に応援した。
東灘区から双子の妹の応援に駆け付けた女性(53)は初めてコテ応援に参加。「楽しくて気分が盛り上がる。ランナーには最後まで走り抜いてもらいたい」と笑顔だった。(勝浦美香)
