神戸

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金網が隔てる、地下道と卓球場=中央区中町通4(撮影・後藤亮平)
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金網が隔てる、地下道と卓球場=中央区中町通4(撮影・後藤亮平)
柱の間に卓球台。球の跳ねる音と掛け声が地下道に響く(撮影・後藤亮平)
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柱の間に卓球台。球の跳ねる音と掛け声が地下道に響く(撮影・後藤亮平)

 カーンッ、カーンッ。

 卓球台の上で小気味よく跳ねる球、ラケットを手にさわやかな汗を流す老若男女。ただ一つだけ普通の卓球場と違うのは、ここが地下街ということだ。

 神戸高速鉄道の高速神戸-新開地駅をつなぐ地下街「メトロこうべ」にあり、47年の歴史を持つ「メトロ卓球場」(神戸市中央区中町通4)。地下道の柱と柱の間に、卓球台がちょうど1台ずつ、縦に収まる。「たまたまですけどねぇ。前後に動けたら、プレーには影響ないわね」と、同卓球場で女性卓球教室を開いている女性(74)=西区=は笑う。

 1971(昭和46)年11月、ゲームコーナー併設の卓球練習場としてオープンした。約700メートルの地下道はその3年前に開通していたが、まだ商店もなく、暗い印象。当時の同社幹部が「安全で明るい地下道にしよう」と、地下道初の一般向け施設として両駅の中間地点に卓球場の開設を提案した。ゲーム機は4年後に撤去され、現在は長さ67・5メートル、幅9・5メートルの空間に卓球台のみ13台が並ぶ。

 地下街の施設は全国的にも珍しく、今では「卓球の聖地」として人気スポットに。卓球人気に多少の波はあるが、経営は常に安定しているといい、日本人が初のメダルを獲得した2012年のロンドン五輪後は、利用料の売り上げが約1・5倍になるなど特に好調。週末を中心に順番待ちが発生することもある。

 豊岡さんの教室は今年で40周年。毎週水曜日の午前中、市内全域や明石から15人前後が集まってプレーを楽しむ。卓球台の向こうは金網で仕切られた地下道。通行人は時に観衆に変貌する。「たまにやじる人もいるけど『ナイスプレー!』の一声が励み。やっぱり女性は見られたらきれいになるって言うでしょ」

 地下にあるメリットは「駅直結で傘いらず。冬は暖かいし、夏も風が通って意外に涼しい」んだそう。80代半ばのメンバーも元気にラケットを振るう。

 今年9月に50周年を迎えるメトロこうべのキャッチコピーは「卓球場のある地下街」。管理する神戸高速鉄道の宮村哲二係長(39)は「節目に合わせ、何かイベントを企画したい」と話す。レクリエーション利用が主で「世界に羽ばたいた常連は聞いたことがない」といい、「東京五輪…いや次の大会でもいいので輩出を」とも願う。

 最近は子ども向け教室も開かれ始めた同施設。地下アイドルならぬ、地下メダリストの登場に期待したい。(上杉順子)

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