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サクラの枝を東京都立農業高校の生徒らが接ぎ木し、元気な状態に戻そうとしている=東京都府中市(同校提供)
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サクラの枝を東京都立農業高校の生徒らが接ぎ木し、元気な状態に戻そうとしている=東京都府中市(同校提供)
伐採される前のサクラ=神戸市灘区篠原北町1
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伐採される前のサクラ=神戸市灘区篠原北町1

 「だいすきなサクラの木をきらないでください」。伐採が予定されていた阪急六甲駅北側の桜並木(神戸市灘区)に昨年夏、「小4男子」からの手紙が張り付けられた。木を管理する神戸市東部建設事務所は返事を張り、寿命を迎え倒木の危険性があることと、サクラを大切に思ってくれていることへの感謝を伝えた。ほほ笑ましいやりとりは、昨年11月8日の本紙で紹介された。

 桜並木は、今月までに12本が伐採された。手紙に対応した公園緑地係の志方功一さん(40)によると、中は空洞になり、強風が来るといつ倒れてもおかしくない状態だったという。

 切ったサクラは一般の街路樹と同様、捨てる予定だったが、記事をきっかけに新たな動きが生まれた。やりとりを知った東京都立農業高校の田口喜朗さん(50)は「切り取った枝を接ぎ木すれば、もう一度元気な木にできるかもしれない」と申し出た。志方さんも快諾し、伐採後すぐに若い枝約30本を東京へ送った。

 枝には、根のついた別の若いサクラと切断面を合わせる「接ぎ木」を施し、再び花を咲かせることを目指す。田口さんによると、接ぎ木はサクラが成長する時期の3月に行うのが一般的。「これまで1~2月に接ぎ木したことはなく、成功するかどうかは分からない」と話す。

 断面がうまく癒着すれば、1年後には約1メートルの高さに育ち、早ければ3年後に花を咲かせるという。接ぎ木に成功すれば、来春にも神戸へ送り返す予定。志方さんは「もう一度、皆がサクラを楽しめる場所に戻ってくれたらうれしい」と期待する。

 桜並木の由来も判明した。約70年前、護国神社(神戸市灘区篠原北町)の女性(89)が夫婦で植えたもの。現在サクラが並ぶ道は、当時は馬車道だった。神社への道を分かりやすくしようと考え、120本を自ら植えたという。女性は「生き物には寿命があるから切ってしまうのは仕方ない。これまで頑張ってくれたことに感謝しています」と話した。(勝浦美香)

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