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「病気による出会いで心が育てられた」と語る実光真路さん。「エンカウンター」と題したブログに思いをつづる=コ・クール垂水
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「病気による出会いで心が育てられた」と語る実光真路さん。「エンカウンター」と題したブログに思いをつづる=コ・クール垂水

 歩くときにふらついたり、ろれつが回らなかったりと、日常生活に支障を来す進行性の神経難病「多系統萎縮症」を患う実光真路さん(55)=神戸市垂水区=が、病気などで同じように悩みを抱える人を語りで支えるNPO活動を始める。「人は傷ついて生きるもの。その傷つきをどう人生に意味付けるかを語り合いたい」と情熱を燃やす。(佐藤健介)

 同市内の中学校や特別支援学校で教諭を務めていたが、10数年前に異変が起きた。顔や手足にしびれとまひが出た。その後もつまずきやすくなるなど進行し、複数の神経伝達系に障害が起きる多系統萎縮症と診断された。数年で寝たきりに至ることもある原因不明の疾患で、実光さんも手やまぶたのふるえに加え、めまい、排尿障害、神経痛に苦しめられる。

 2015年、やむなく退職し、障害者向け福祉マンション「コ・クール垂水」(同区下畑町)へ入居。生きがいを見いだそうと取り組んだのは、同施設や地域で就労を目指す障害者や発達障害児らの相談や学習支援だった。教諭時代、資格を持つ臨床心理士としても子どもらに接してきた経験があった。

 昨秋から症状が重くなったが、「まだ話すことならできる。残された能力で社会に貢献したい」と、語りをライフワークにすることを決意。同マンションで児童支援などを進めるNPO法人「オープンエア」の活動に組み入れられ、「ぽれぽれライフ」と銘打った。「ぽれぽれ」はスワヒリ語で「ぼちぼち」という意味。焦らず、前向きに進もう-という思いを込めた。

 活動の柱は講演と座談会。「こころの成長」「出会い(エンカウンター)」をキーワードに、病気をどう捉えて生きるか、看病や介護を受ける立場になって気付いたことを語り合う。高校や大学での出前講座も企画する。

 「人に役立つ活動を励みに生きていられる。病気との付き合いを通じて得たものを語る。それが、聞く人にとって人生を切り開く原動力になればいい」。既に発症から平均余命とされる10年を超え、今なおチャレンジを続ける。

 活動開始を記念した講演会を14日午後4時から同マンションで開催。関西国際大の坂中尚哉教授(臨床心理学)が、患者に過去のつらい記憶を自由に語らせ、人生の物語を肯定的に再構築させる心理療法「ナラティブ」を解説する。無料。

 同法人事務局TEL078・755・5906または専用メール(porepore747@gmail.com)

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