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「この技術が世界に広がるかも」。子どもの頃からの発明の夢を、80代でかなえた永田三喜雄さん=神戸市垂水区
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「この技術が世界に広がるかも」。子どもの頃からの発明の夢を、80代でかなえた永田三喜雄さん=神戸市垂水区

 神戸市垂水区の永田三喜雄さん(85)が、80歳を過ぎてから発明した「結束バンド」を商品化する業者を探している。農作業で野菜の茎などを支柱に結び付ける手間を減らそうと、簡単に結んだり、ほどいたりできる仕組みを考案。「一生のうちに一つは発明品を作る」という子どもの頃からの夢を実現し、2016年5月に特許も取得した。「この技術は、いろいろな分野に応用できるはず」と期待を寄せる。(那谷享平)

 永田さんは小学生の頃から発明に憧れていたが、研究などの道に進むことはかなわず、高校卒業後は神戸市警(現兵庫県警)に就職。定年後に再就職し、71歳で仕事をリタイアすると、自宅近くに畑を借りて家庭菜園を始めた。

 数年たった頃、野菜の茎などを支柱に結び付ける作業を、面倒に感じるように。従来の結束バンドはほどきにくい上に、使い捨てが多い。自ら新たな結束バンドのアイデアを練り、ひらめいたのが、V字形のくさびだった。

 バンドの先端をくさびの形にし、折り返して結び目に差し込み固定する。くさびを抜けば、簡単にほどけ、再利用できる仕組みだ。

 一般社団法人「兵庫県発明協会」(須磨区)に持ち込んだところ、「特許を出願できる内容」と評価された一方、「単価の安い道具の商品化は採算が取れない」と指摘されたという。

 一度は開発を断念した永田さんだが、数年後、再び試作品などの製作に打ち込みだした。80代となり、寿命を意識するようになったのが大きいという。「人に恵まれ、幸せな人生を送ってきた。世の中に恩返しをせんと、亡くなった恩師や友人に恥ずかしくて、さんずの川を渡れん」。2年前には、くさびの活用法などを中心に11件の特許を取得した。

 ただ依然、採算性は大きな課題。製造を希望する業者が現れた場合、無料で技術を提供することも考えているという。開発費は約100万円に上ったが、永田さんは「80歳を過ぎて、人生は銭金やない、とよく分かった。世の中に喜んでもらえるならそれでいい」と笑う。

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