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わなに掛かったアカミミガメ=神戸市西区玉津町、明石川
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わなに掛かったアカミミガメ=神戸市西区玉津町、明石川
アカミミガメとクサガメを仕分ける子どもたち=神戸市西区玉津町、明石川
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アカミミガメとクサガメを仕分ける子どもたち=神戸市西区玉津町、明石川
神戸新聞NEXT
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 遠い夏の日、縁日でおなじみだったミドリガメ。正式名アカミミガメは今や敵が少ない日本の河川でのさばり、水辺の生態系を乱す困った存在だ。神戸市が防除団体に捕獲数に応じた助成金を出すと聞き、「捕まえるのがうまい」と評判の、神戸市西区・玉津第一小学校の児童らの取り組みに同行した。そこにはポケットに入るモンスターをゲットするより、はるかにリアルな闘いがあった。(上杉順子)

 今月2日、快晴。玉津大橋(西区玉津町出合)の北詰を明石川の上流に向かい数分歩くと、水遊びに興じる一団が見えてきた。近くにある同小児童を中心にした環境保全グループ「玉一アクアリウム」のメンバーだ。この日は小学生7人、卒業生の中学生2人が参加。市の助成事業なので市職員の姿もある。

 「よっしゃ、始めようか」。代表の小田隆司さん(52)が声を掛けると、子どもたちは草が生い茂った浅瀬へ。前日の夕方、魚のあらを入れたカメ用のわなを仕掛けていた。このわな、丈夫な網製で体積が大きくたくさん捕れる。市が希望団体に貸し出しているものだ。

 「うわー、重い!」。数人がかりで水中から引き上げると、離れた岸辺で見守っていた私にも“大漁”が見て取れた。網の中から甲羅に引っ込んだカメたちがゴロン、ゴロン。「ん?」 でもよく見ると、甲羅の色は2種類あるような…?

 「クサガメもよく捕れるんですよ」。市環境局生物多様性担当の岸本祥係長が説明してくれた。アカミミガメの腹側はオレンジ色だがクサガメは黒色。クサガメも江戸後期に中国大陸から持ち込まれた外来種だがアカミミガメのように明確に生態系を乱していると言い切れないため、捕獲後は川に戻している。

 他にスッポン類、日本固有種のニホンイシガメも生息している。アカミミガメにすみかを奪われているイシガメはほとんど見ないという。子どもたちも網をのぞきこみ「イシガメおらんかな?」「おれ、見たことない。レアキャラやで!」と大騒ぎだ。結局、最初の網にはアカミミガメ9匹、クサガメ15匹が入っていた。防除活動が奏功し、アカミミガメの割合は減少しているという。

 わなは他に四つ仕掛けており、上流に進むほどに捕獲数は少なくなった。この日の成果は合計19匹。リーダーの6年女児(12)は「たくさん捕れて良かった。在来種がいっぱいの豊かな川にしたい」。岸本係長が「全国でも珍しいのでは」と胸を張る、捕獲数に応じた助成金は同日時点では3万円。今年から生物多様性関係に限らず、団体運営に広く活用できる。小田代表は「保険代やゴム長購入に使いたい」と話していた。

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 助成条件は市内の川やため池で実施する▽捕獲機材を最低三つ、連続2日以上設置する▽アカミミガメについての講話を現地で聞く。営利団体などは対象外。年末まで先着15団体を受け付ける。自然環境共生課TEL078・322・5316

 また、須磨海浜水族園(須磨区)でも今月24日までアカミミガメを持参すると1匹につき1人が無料で入園できる「アカミミガメ・パスポート」を発行している。持参日限り有効。同園TEL078・731・7301

【アカミミガメ】1950年代後半から大量に輸入販売された。成長すると甲羅の長さが最大約30センチ、性質も凶暴になるため、飼い主が捨てたり逃げ出したりして野生化する個体も多い。2015年に国が緊急対策外来種に選定したことを受け、神戸市は16年度から本格的に防除を開始し、市民団体への助成も始めた。同年度は1654匹、17年度は1022匹を駆除。今月施行の市生物多様性保全条例では指定外来種で、意図的に野外に放すと市は中止や原状回復を求め、応じない場合は氏名や住所を公表することがある。

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