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国吉勇さん(右)が収集した遺品について資料館でヒアリングする西尾慧吾さん=那覇市(西尾さん提供)
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国吉勇さん(右)が収集した遺品について資料館でヒアリングする西尾慧吾さん=那覇市(西尾さん提供)
火炎放射で変形したガラス瓶(西尾さん提供)
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火炎放射で変形したガラス瓶(西尾さん提供)
炭化したかまぼこ缶(同)
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炭化したかまぼこ缶(同)
炭酸ガス弾の茶瓶(西尾さん提供)
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炭酸ガス弾の茶瓶(西尾さん提供)
沖縄のガマなどで見つかった遺品の展示を企画した西尾さん=神戸市長田区若松町4
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沖縄のガマなどで見つかった遺品の展示を企画した西尾さん=神戸市長田区若松町4

 灘高校(神戸市東灘区)出身の西尾慧吾さん(19)=米エール大学=が、太平洋戦争末期の沖縄戦の遺品や記録を収集し、全国各地で語り継ぐ取り組みを進めている。高校時代の学びを原点に、沖縄の遺骨収集家・国吉勇さん(79)の活動を記録する学生共同代表を昨年から務めており、長田区で30日、遺品展示を行う。きょう23日は沖縄慰霊の日。「戦争体験はなくしてはいけない記憶。沖縄だけでなく多くの人に知ってもらう機会をつくりたい」と西尾さん。若者らしいあふれる行動力で“記憶のバトン”を受け継ぐ。(久保田麻依子)

 西尾さんが沖縄戦への関心を深めたのは、高校2年の修学旅行で沖縄を訪れた2015年5月。激戦地だった本島南部の戦跡を訪れ、「住民が犠牲になる地上戦の悲惨さを、イメージや数字でしか知らなかった」とショックを受けた。

 その後、恩師の紹介を受けて、国吉さんが集めた遺品を収蔵する「戦争資料館」(那覇市)を訪問した。母や兄弟ら4人を戦争で失った国吉さんは60年以上遺骨収集を続けており、炭化した弁当箱や銃刀、注射器など、資料館に収蔵されている数万点の展示品に圧倒された。

 「死を身近に経験し、『遺骨を日の当たるところへ戻したい』が口癖の国吉さんに突き動かされた」といい、16年春の灘高文化祭では、国吉さんが収集した遺品を展示して紹介した。

 しかし、国吉さんは数年前から体調不良で活動できなくなり、記憶もあいまいになってきた。西尾さんは「膨大な遺品はとても貴重だが、素人では管理が難しい」と気付き、国吉さんが元気なうちに聞き取りをしようと「沖縄戦遺骨収容国吉勇応援会」を結成し、昨年から本格的な活動に乗り出した。

 活動では、国吉さんから借り受けた遺品の展示会を全国で催すほか、遺品を収集した場所や国吉さんの活動をデータベース化したり、神戸や大阪の中学校で出前講座をしたりしている。東京大を休学後にエール大で学び、現在は長期休みを利用して関西や福島などで企画展を運営する。

 神戸市の企画展では、火炎放射器や炭化した乾パンなど約70点を展示する。西尾さんは「今の基地問題は沖縄戦という悲しい歴史の続きにあるにも関わらず、多くの人が無関心だったり、本質に気付かず批判したりする。遺品や記憶を正確に語り継ぐ努力をすることが、若い自分ができる使命」と力を込めた。

    □  ■

 企画展は神戸市長田区若松町4のピフレホール・クラフト室で。30日午後1~6時。問い合わせはNPO法人神戸定住外国人支援センターTEL078・612・2402

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