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川の流れは穏やかで、親子連れが水遊びを楽しむ姿が確認できる=2008年7月28日午後2時16分、灘区篠原南町6、都賀川・甲橋(当時の神戸市ホームページから)
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川の流れは穏やかで、親子連れが水遊びを楽しむ姿が確認できる=2008年7月28日午後2時16分、灘区篠原南町6、都賀川・甲橋(当時の神戸市ホームページから)
水位は10分間で1・34メートル上昇、河川敷が隠れるほどの濁流が押し寄せる=午後2時50分、同(当時の神戸市ホームページから)
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水位は10分間で1・34メートル上昇、河川敷が隠れるほどの濁流が押し寄せる=午後2時50分、同(当時の神戸市ホームページから)
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 2008年7月28日、突然の豪雨で普段の穏やかな表情を一変させた都賀川。急増水した川では、5人の犠牲者以外に、多数の人が川沿いに取り残されるなどし、消防隊や居合わせた住民らが懸命な救出作業に当たった。これまでの資料や証言、過去の記事などを基に、水難事故当時の様子を再現した。(那谷享平)

 同日午前、天気予報は雨や雷雨の可能性を伝えていたが、神戸市灘区は晴れ渡っていた。地元市民団体の聞き取り調査報告には、区民が「『これだけいい天気なのに(雨が)降るの』と思いながら洗濯物を取り込んだ」とある。

 しかし、午後1時20分には大雨洪水注意報が発表され、35分後には警報に変わった。この頃には、上空で黒い雲が層をなして渦を巻くように広がりつつあった。急に暗くなったかと思うと、午後2時半ごろ、ぽつぽつと雨粒が落ち始めた。雷が繰り返し鳴り響き、すぐに大雨となった。

 「視界は10メートル先がぼやけた状態」「車のワイパーを一番速くしても前が見えない」。灘区鶴甲の雨量計では、同2時半から30分間で36ミリ、同区の永峰の雨量計では同38ミリもの雨を観測した。豪雨と増水はほとんど同時で、同2時40分から同50分の10分間で水位は1・34メートルも急上昇し、川は荒れ狂う濁流になっていた。

 午後2時45分ごろから、警察や消防への通報が相次ぐ。「子どもが流されている!」「女性と子どもが高架下に!」。目撃者たちの目の前で、濁った波が人を下流へ連れ去っていく。

 篠原橋付近で川遊びをしていた学童保育所の引率者1人と小学生2人が流され、引率者は自力ではい上がったが、河口で児童2人の遺体が見つかった。また、都賀野橋の下で護岸にもたれて雨宿りしていたと思われる園児とその叔母、当時32歳だった男性の計3人の遺体も河口付近で発見された。

 この時、出動した消防や警察以外にも、川沿いの各地で住民らが懸命の救出劇を展開した。08年8月4日付の神戸新聞朝刊は「少なくとも4人が川から自力で脱出し、11人が救助された」と報じている。阪神大石駅の高架下では、子ども2人と女性がホースを命綱に引き上げられた。河口付近でも、流された子ども2人を近くの会社員らが川から救出。新都賀川橋でも、橋脚にしがみつき、濁流をしのいだ男性が助け出されようとしていた。

 降り始めからわずか1時間足らず。午後3時を過ぎると、雨足が弱まった。

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