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都賀川水難事故の教訓を伝える取り組みを続ける谷口美保子さん=神戸市灘区
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都賀川水難事故の教訓を伝える取り組みを続ける谷口美保子さん=神戸市灘区

 地元の市民団体「7月28日を『子どもの命を守る日』に実行委員会」が、都賀川水難事故を検証し、記憶を残すための活動を続けている。教訓をどう伝え、子どもの命を守っていくのか。その問いにこれからも向き合う。

 実行委は発生から半年がたった2009年1月に発足。毎年、発生日には犠牲者をしのぶ会を営む。

 委員長は神戸市灘区の薬剤師谷口美保子さん(59)。亡くなった児童と同じ学童保育所に、08年春まで娘を預けていた。あの日の午後、身近な子どもたちの命を奪った事故の知らせに「もしかしたら子どもを失ったのは私だったかも」と胸を痛めた。

 葬儀でひつぎにいる子どもを前に声を上げて泣く遺族の姿は今も忘れられない。「もう誰にもあんな悲しい思いをさせてはいけない」。決意を同じくする母親らと実行委を立ち上げた。

 以来、研究者らを招いた学習会を開催し、行政や住民などに安全対策に関する聞き取り調査を実施。追悼行事で園児の絵や小学生らの千羽鶴を供える取り組みは、若い親や小さな子どもに事故を知ってもらうきっかけになっている。水難事故以外にも、熱中症や地震から子どもを守るすべを学ぶ場も設けた。

 実行委による年間活動報告の冊子は、今年7月下旬に8冊目が完成した。冒頭には「過去の被害を忘れることは、未来の被害を呼び寄せる」とつづられている。谷口さんは「子どもが自分の命を大切にできるよう、事故を伝え続けたい」と、10年前の悲しみを胸に、今後も地道に取り組むことを誓う。(那谷享平)

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