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生バンドの伴奏で熱唱する石井順子さん(中央)=神戸市中央区北長狭通1
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生バンドの伴奏で熱唱する石井順子さん(中央)=神戸市中央区北長狭通1

 日本のジャズ発祥の地とされる神戸で、阪神・淡路大震災などの苦難を乗り越え、創業60年を数えるジャズバーがある。三宮の繁華街にある「ヘンリー」(神戸市中央区北長狭通1)だ。約40軒あるという神戸のジャズスポットの中でも「老舗格」で、常連客が足しげく通う人気店だ。店を営む歌手石井順子さん(80)は「長年やってこられたのも、人と人をつなぐ“音楽の力”があったから」と振り返る。(辰巳直之)

 ヘンリーは1959年4月、台湾出身の故林清池(りんせいち)さんが開業した。当初はBGMにジャズが流れるバーだったが、約三十数年前、プロ歌手としての経験のある石井さんが働き始めたことがきっかけで、ジャズライブを開くように。90年代にはジャズの生演奏を楽しみながら酒を楽しむバーとして定着していった。

 ところが、95年1月、阪神・淡路大震災で店の入るビルは全壊し、林さんや石井さんも被災した。それでも常連客らの励ましを受け、店の再建に向けた資金調達などに奔走した。

 96年4月に店の入るビルが再建され、「ヘンリー」の再オープンにこぎ着けた。だが、またもや悲劇に見舞われる。同年秋に林さんが他界し、石井さんは多額の借金を抱えたまま店を引き継ぐことになったのだ。「経営の経験などなかったけど、やるしかなかった」と石井さん。復興に向かう神戸とともに店を懸命に切り盛りした。

 同店では現在、プロのピアニストやバンドを週数回招き、石井さんもうち1、2回はマイクを握る。石井さんは今でもボイストレーニングに時折通うといい、その歌声がファンを魅了する。

 神戸・北野周辺で10月にある恒例イベント「神戸ジャズストリート」運営メンバーの田中千秋さん(73)=同市東灘区=は40年来の常連だ。「囲碁や将棋を楽しむ客もいて、アットホームな雰囲気もいい。ママの歌も心に染みる」と魅力を語る。

 店では11月11日に常連客や音楽仲間を集め、60周年を祝う記念パーティーを神戸市内で開く。石井さんは「元気が続く限り店を守り、歌い続ける。ジャズが息づく神戸の街で、その火を燃やしていきたい」と衰えぬ意欲を見せる。

 ヘンリーTEL078・391・2689

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