神戸

  • 印刷
自宅前のメーターボックスを活用するごみ出し支援の利用者。NPOのスタッフが回収に来る=灘区内
拡大
自宅前のメーターボックスを活用するごみ出し支援の利用者。NPOのスタッフが回収に来る=灘区内
ごみ出し支援の利用者とサポーターの所在地を地図で確認する花たばのスタッフら=神戸市灘区水道筋6
拡大
ごみ出し支援の利用者とサポーターの所在地を地図で確認する花たばのスタッフら=神戸市灘区水道筋6

 高齢や障害などでごみ出しが難しい世帯が増えている。何らかの支援が受けられない場合、“ごみ屋敷”など深刻な事態にもなりかねない。市内では、市やNPOがごみ出し支援に取り組むが、対象者の増加などで支援の在り方が課題になっている。1人暮らしの高齢者が多く、坂道などでごみ出しがしにくい地域もある神戸。これでいいの? (石沢菜々子)

 灘区の集合住宅に暮らす女性(64)。病気のため手足が不自由で、NPO法人のごみ出し支援サービスを利用している。毎週月曜、可燃ごみの入った袋を自宅前にあるメーターボックスの中へ。それをNPO法人のスタッフが回収し、敷地内にあるごみ捨て場まで持って行く。

 費用は1回200円。多少費用がかかっても生活に欠かせない。当初は手押し車にごみ袋を乗せて自分で捨てようとしたが、体調の悪い日もあり、決められた時間内に出すことが難しかったという。

 周囲でごみ出しに苦労する高齢者世帯を見かけるという女性は「宅配で買い物はできても、捨てるのが大変。支援がない場合、『ごみを出さないように』と食べる量を減らすことにならないか」と危惧する。

■支えるNPO

 女性のごみ出しを支援するのは、灘区で高齢者向けコミュニティーハウスを運営するNPO法人「花たば」。7年前から続けている有償ボランティア活動で、高齢者や障害のある人ら約40人をごみ出しサポーター約30人が支えている。

 利用料200円のうち、ボランティアとNPO法人で100円ずつ受け取る。「わずかでも、手伝ってもらう人と手伝う人が対等の関係になれる仕組み」(須見恭子理事長)だが、利用者とサポーターを調整するコーディネーターの人件費などはまかなえず、ほかの事業で支えているという。

 玄関先でごみ袋を受け取る市の「ひまわり収集」を利用できるのは、高齢者の場合、原則要介護度2以上の独居高齢者。夫婦で暮らしていることなどを理由に対象外となり、花たばが支援を始めたケースもあった。

 約束の日にごみが出ていなかったことから、ベッドから起き上がれなくなっていた人の発見につながったことも。支援を機に庭仕事などごみ出し以外の困りごとを手伝うことになった人もおり、須見理事長は「ごみ出しは住み慣れた地域で暮らすための『入り口』のようなもの。ごみの問題だけでなく、生活支援という視点で考える必要がある」と訴える。

■課題

 花たばのメンバーは、支援継続の課題について、採算性に加え、人材確保の難しさを挙げる。灘、中央区を対象にしているが、地域によってサポーターの人数に偏りがあり、調整に苦労する。事務所スタッフがやむを得ず前の日に回収することも。各自の自宅に持ち帰って捨てたり、1人で何カ所も回ったりして、なんとか対応してきた。

 最も支障になっているのが、「収集日当日の朝5~8時」となっている市のごみ出しルールだ。サポーターは基本的に7時半ごろ家を出なければならない。通勤や朝の家事などが忙しい時間帯と重なり、協力者を確保しにくいという。

 では、どんな改善策が考えられるのか?

 須見理事長は「例えば、ごみ出しの時間を『朝9時までに出す』と変更できないか。介護ヘルパーの活動時間とも重なり、ヘルパーに頼むことができる人が増えるはずだ」と指摘する。メンバーからは「うっかりごみを出し忘れてしまう高齢者も少なくない。設置数は少なくても、(支援者が)いつでもごみを出せる場所があれば助かる」との声も出た。

神戸の最新
もっと見る

天気(11月19日)

  • 16℃
  • 12℃
  • 60%

  • 15℃
  • 10℃
  • 80%

  • 17℃
  • 12℃
  • 60%

  • 16℃
  • 11℃
  • 50%

お知らせ