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デジタルアーカイブの意義について語る浦川豪准教授=神戸市中央区下山手通5
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デジタルアーカイブの意義について語る浦川豪准教授=神戸市中央区下山手通5
会場で展示された資料を手に取る来場者=神戸市中央区下山手通5
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会場で展示された資料を手に取る来場者=神戸市中央区下山手通5

 神戸・阪神間で死者・行方不明者695人、被災家屋約12万戸など大きな被害をもたらした阪神大水害から今年で80年。記憶や教訓を後世に伝えるため、資料や体験談を集めたデジタルアーカイブが完成し、公開を記念したイベントが24日、神戸市中央区のハーモニーホールで開かれた。市民ら約340人が来場し、アーカイブの活用法や被災体験に耳を傾けた。(太中麻美)

 自治体や神戸新聞社でつくる「阪神大水害80年行事実行委員会」が主催。「個人の記憶を社会の記憶に」をテーマとし、体験談や当時の写真などの資料提供を広く呼び掛け、108点が集まった。

 実行委員長の沖村孝・神戸大名誉教授は、阪神大水害と近年の豪雨災害をテーマに講演。西日本豪雨では、総降雨量は大きかったが時間雨量が小さかったことで、六甲山系の土砂災害が比較的少なかったと解説した。一方、近年は短時間での集中した降雨が増え「昔とは雨の降り方が変わり、リスクとなっている」と警鐘を鳴らした。

 続いて神戸市内で被災した吉田規代子さん(90)と坂田栄さん(96)が登壇し、当時の体験を語った。中央区に住んでいた吉田さんは「トアロードが川のようになり、おんぶされて渡った」と証言。灘区の女学校にいた坂田さんは、山から崩れてきた土砂に流されたと話し、「山の方からなんとも言えない音がして、空は異様な色だった」と振り返った。

 デジタルアーカイブ作成を監修した兵庫県立大大学院減災復興政策研究科の浦川豪准教授も講演に立ち、「二次利用が可能なオープンデータとして公開すれば、拡張現実を用いたフィールドワーク支援ツールなど、活用アイデアが集まる」と期待を寄せた。

 また、市内3校の中高生は、水害についての調査結果を発表した。会場ではアルバムや水害誌など、資料実物の展示もあり、来場者は手に取って見入っていた。アーカイブは、六甲砂防事務所のホームページから閲覧できる。

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