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自立生活を続ける堀之内和弘さん=神戸市兵庫区
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自立生活を続ける堀之内和弘さん=神戸市兵庫区
映画の一場面(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会
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映画の一場面(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

 重い障害で24時間介助が必要な神戸市兵庫区の堀之内和弘さん(38)が、身の回りの支援をする介助者を募りながら一人暮らしにこだわって生活している。昨年12月に公開された俳優・大泉洋さん主演の映画「こんな夜更けにバナナかよ」は、障害者の自立生活の在り方に一石を投じ、大きな反響を呼んだ。「自分らしい生活を求める姿に自分を重ねた」と話す堀之内さんの生活をのぞかせてもらった。(石川 翠)

 堀之内さんは先天性の血友病で、出産時、頭蓋内出血の手術をした際に脳性まひが残った。手先は動くので電動車いすで移動し、食事やトイレなどは介助者に手伝ってもらい日常生活を送っている。

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 午前6時半、アラーム音で目覚め、男性介助者に支えられながら布団から出る。外出着に着替え、朝食などを済ませて作業所へ。夕方までクリーニングされた衣類をたたむ作業などに従事する。

 「1人暮らしをしたい」。そう思い立ち、市内の自立支援施設を訪れたのは2012年。探してきた部屋を提示したが、「まずは介助者探しから」と諭され、人集めから始めた。

 通常、複数の事業所と契約して必要な介助者を集めるが、堀之内さんは交流イベントに参加する学生ボランティアに「家での介助もやってみーひん?」と積極的に声を掛け回った。現在は大学生10人ほどもローテーションで介助に当たる。「自分で介助者を連れて来た人は彼くらい」と同施設の職員も驚く。

 堀之内さんは、仕事を終えると、介助者とスーパーに立ち寄り、食材や日用品を購入して帰宅。食事をしていると、「こんばんは~」ともう一人の介助者がやって来た。慣れた様子で洗濯物を片付けたり、布団を敷いたりする。入浴は2人体制で介助。手すりを握って自力でも体を支えながら、腰掛けた状態で体を洗ってから浴槽に。以前のワンルーム生活だった頃は、入浴も一苦労だった。

 介助者と一緒にテレビを見てゆっくりした後、寝る体勢に。日中はずっと座っている姿勢のため、布団の上で体を動かすことは大切。介助者の負担を軽減するためベッドに変えようか検討しているが、柵に挟まったり転げ落ちたりする不安もあるという。

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 映画タイトルは主人公が真夜中にバナナを食べたいと言い出し、ボランティアが思わずこぼした言葉だ。堀之内さんは「バナナはないけど、真夜中に突然ラーメン食べに行きたいと言ったことはある」と笑う。

 たくさんの人を巻き込み、「わがまま」と言われながらもやりたいことをする主人公を見ていると胸が熱くなったという。

 介助や活動を共にしてきたNPO法人生活支援研究会事務局長の田中義一さん(49)は「いつも人探しに追われる綱渡りの状態。自分を他人にさらけ出して関わってもらうことになるので気持ちの負担も大きいと思うが、自分らしい生活を求める姿はすごい」と話す。

 月に一度、親元を離れた生活を体験する「お泊まり会」を行う「いるかグループ」の代表も務めており、参加者を募っている。

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