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初めての美容室で、44センチまで伸びていた髪の毛を切る直前の冨永君(家族提供)=神戸市中央区三宮町2、ワンバイワン
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初めての美容室で、44センチまで伸びていた髪の毛を切る直前の冨永君(家族提供)=神戸市中央区三宮町2、ワンバイワン
「ヘアドネーション」のため、4年越しで伸ばした髪の毛を切った冨永大和君=神戸市中央区中山手通1
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「ヘアドネーション」のため、4年越しで伸ばした髪の毛を切った冨永大和君=神戸市中央区中山手通1

 がん治療やけがで髪の毛を失った子どもたちに人毛のウィッグ(かつら)を寄付する「ヘアドネーション」。活動に共感し、約4年越しで伸ばしてきた神戸市立布引中学校1年の冨永大和君(12)=同市中央区=が中学入学を機に、腰まであった40センチ超の髪の毛をカットした。長い髪ならではの苦労もあったが、「少しでも悲しむ人を減らしたい」との強い意志で手入れを続けてきたという。(竹本拓也)

 冨永君がヘアドネーションを知ったのは5年ほど前。白血病と闘う同年代の男の子を特集したテレビ番組で、抗がん剤治療によって髪の毛が抜けるなど強い副作用があることを知った。「強い衝撃を受けたよう。静かに泣いていた」と父の隆さん(46)は振り返る。

 小学1年のころに大腸がんを患っていた祖母を看病し、65歳の若さでみとったことも大きかったという。「自分でも手軽にできる支援かなと思って」と小学3年で決心した。

 リンスやトリートメントなど手入れが必要な上、乾かす時には両親の手助けも必要だった。特に汗をかく運動会シーズンはひと苦労したが、「切りたい」と言い出したことは一度もなかったという。一方、友人や教諭らから髪を伸ばす理由を尋ねられることも多かったが、そのたびに丁寧に説明し、理解を得てきた。「ヘアドネーションの意味を周りにも伝えられたかな」と笑顔を見せる。

 今月3日、中央区の美容室「ワンバイワン」でヘアカットに臨んだ。美容室に行くのも初体験で、両親も緊張した面持ちで立ち合った。最も長いところで44センチあった髪の毛を手に、ショートカットで記念写真に収まった冨永君は「短い時は記憶にないので、真新しい感じ。でも少しさみしい」と話した。トレードマークだったカチューシャも卒業した。

 同店は昨年から、医療用ウィッグメーカー「グローウィング」(大阪市北区)が小児がんや脱毛症などで髪に悩む子どもたちに行っている「つな髪プロジェクト」に協力しており、月5人程度の申し込みがあるという。冨永君の髪を切った竹林一敬代表(41)によると、40センチ以上の髪の毛を寄付するケースは「成人女性でもほとんどない」と話している。

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