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「半世紀以上、店を守ってこれたのは、お客さんのおかげ」と語る河浪安子さん=神戸市兵庫区中之島1
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「半世紀以上、店を守ってこれたのは、お客さんのおかげ」と語る河浪安子さん=神戸市兵庫区中之島1

 神戸市中央卸売市場(同市兵庫区中之島1)内にあるすし店「七福鮨」が25日、暖簾を下ろす。再整備前の市場時代から52年間、店を守ってきたが、魚価格の高騰や店主河浪安子さん(75)の体調などから閉店を決めた。連日、別れを惜しむ客でにぎわっており、「お礼を言いに来てくれるが、私の方こそ元気をもらって感謝している」と話す。

 夫の孝さんと店を始めたのは1967年。厨房は孝さんの“聖域”で、河浪さんは「頑固な人で、包丁すら握らせてもらえなかった」と振り返る。汁物やシャリの準備、配膳などを手伝い、二人三脚で店を切り盛りしてきた。

 ところが20年前、孝さんが60歳で他界。すしを握ったことがなかった河浪さんは、店を定食屋に変え、再スタートを切った。だが、すしを求めて来る客の多さに驚き一念発起。魚のおろし方や、シャリの握り方が載った本を買い、独学で腕を磨いてきた。

 早朝から仕込みに入り、午前6時には市場へ魚を買いに出る。なじみの仲卸業者の助けもあって目利きの力も身についた。人気は、蒸し穴子のにぎりやノドグロの煮付け。「夫の動きを思い出して、同じ味に近づけてきた」と河浪さんは胸を張る。

 しかし、魚価格の高騰や、自身も高齢化で足腰が痛むようになり、閉店を決めた。4月の告知以降は連日満席状態。「お客さんに『また来てね』と言えなくて寂しい」と目を潤ませるが、「これからは自分の人生を楽しみつつ、趣味の料理を続けていきたい」とほほ笑む。(喜田美咲)

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