神戸

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岩だらけの険しい名勝・馬の背
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岩だらけの険しい名勝・馬の背
高倉台とおらが山(左奥)を臨む
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高倉台とおらが山(左奥)を臨む
栂尾山へ続く400段の階段
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栂尾山へ続く400段の階段
須磨アルプス踏破に挑んだ津田和納記者
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須磨アルプス踏破に挑んだ津田和納記者
鎖などを持ち、慎重に登る
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鎖などを持ち、慎重に登る

 急勾配の階段を下ると眼前に高倉台団地(神戸市須磨区)のマンション群が目に飛び込んできた。高倉台にはかつて標高291メートルの高倉山があった。昭和30年代から進められた神戸市の「山、海へ行く」の宅地開発で削られ、ニュータウンが造られた。

 全てを切り開く予定だったが、低くなった山から風が吹き下ろし、地域の気象が変化すると地元市民らが反対。200メートルまで削られたところで山は守られた。

 おらが守った山-。その思いから、住民らはこの山を「おらが山」と呼ぶようになったという。高倉台を歩いて栂尾山へ。麓に着くと、直角に近い階段がお目見えした。

 「天国に続く階段」。そう呼ぶ人もいるらしい。約400段あり、上を見ると足取りが重くなる。休むと二度と立ち上がれないと思い、一気に駆け上がった。息が上がり、脇腹と太ももがつりそうになる。苦行を終え振り返ると、誇らしそうなおらが山が見えた。栂尾山山頂(標高274メートル)で汗をぬぐい、しばし吹き上げてくる風に吹かれる。

 「よく登るんですか?」

 兵庫県伊丹市から来た男性(76)ら5人のグループに話し掛けられた。木々の中を一緒に歩きながら、横尾山を目指す。アップダウンが続き、思わず「家に帰りたい」とぽつり。しばらくして誰かが叫んだ。

 「あ! 馬の背や」

 目の前には荒々しい岩肌が広がっていた。両サイドは崖で、踏み外せば真っ逆さま。砂地のため滑りやすく、取り付けられた鎖を頼りに下り、両手で岩をつかみながら慎重に登る。北側に見える家々の屋根は色鮮やかで美しく、「宝石箱をひっくり返したみたいやな」。非日常の絶景を味わいつつ、行き交う車や家々を見て、人の暮らしを感じられるのが、コースの最大の魅力だ。

 東山から神戸市営地下鉄板宿駅へ。目標の4時間は難しかったが、約5時間でゴール。男性らはこの後、ビールで喉を潤すという。「都会に近く、自然豊か。ビールがおいしく飲める距離が一番ええね」と笑顔の一行と別れた。

 脚はパンパンで、前へ踏み出すのもつらい。帰社して須磨アルプス踏破の報告をデスクにすると「次なる目標は六甲全山縦走やな」とニンマリ。「次なんて考えられない。少し寝させて!」。心の中でそうつぶやいた。(津田和納)

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