神戸

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「スマジン」の呼び掛け人の衣笠収さん=須磨区須磨浦通4
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「スマジン」の呼び掛け人の衣笠収さん=須磨区須磨浦通4
昨年秋に開催された「アートすまびらき」。市民の協力を得て、民家やギャラリーに芸術作品を展示した(衣笠収さん提供)
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昨年秋に開催された「アートすまびらき」。市民の協力を得て、民家やギャラリーに芸術作品を展示した(衣笠収さん提供)
落ち武者の格好をして、市内各地の名所を歩いたPR動画の一部(衣笠さん提供)
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落ち武者の格好をして、市内各地の名所を歩いたPR動画の一部(衣笠さん提供)

 「須磨(神戸市須磨区)には『スマジン』があるんですよ」。須磨マンスリーの取材を重ねると、あちこちでそんな言葉を聞いた。「スマジンって、須磨の人?」 ネットで検索してもヒントの一つも出てこない。何かの曲名にも似ているような-。膨らむ疑問を解決しようと、“生みの親”である衣笠収さん(55)=兵庫県高砂市=を訪ねた。(久保田麻依子)

 「スマジンとは一体…」

 「人ではないけれど、う~ん。なんて言うのかな。つどい? 場? 言葉にすると難しいな~」。衣笠さんは困った顔をしながらこう定義してくれた。

 「須磨のためにやってみたいことや、挑戦したいと思っている『妄想』を発表しあう場。実現可能性は問わない、夢を語り合うプレゼン大会」

 衣笠さんの前職は神戸市職員。今春まで須磨区保健福祉部長だったが、「地域に根ざした活動を」と早期退職し、現在は「日本一くだらないNPO」をうたい文句に、まちづくりやイベントを企画するNPO法人の理事長を務める。

 市職員時代、デザインやアートの拠点である「デザイン・クリエイティブセンター神戸」(中央区)の立ち上げに関わった。高齢化や地域コミュニティーの希薄が社会課題として山積する中、アートの分野でまちのにぎわいづくりに一役買う芸術家の姿に大きな影響を受けたという。初の区役所勤務となった2016年からは、休日や業務後の合間を縫って地域の人と顔を合わせ、須磨の良さを語り合った。

 そこで同年秋に生まれたのが「スマジン」だ。知人やSNSなどで呼び掛け、集まった人たちがそれぞれの夢を熱っぽく語る。「須磨海岸をフラの聖地にしたい」▽「義足ダンサーの大前光市さんの講演を須磨でしたい」▽「ママ世代で人気のゴム跳びをPRしたい」▽「お寺で月見歌会を」-。これまで多くの夢が現実となった。「発案者が勇気を出して提案したことを、その場にいる人たちのノウハウや人脈で実現していく。緩やかながら、横のネットワークが広い須磨の力です」と語る。

 自身もスマジンで発案し、昨年11月に「アートすまびらき」を企画。区内のあちこちの民家やギャラリーに絵画や陶芸の作品を飾り、まち歩きしながら鑑賞した。

 源平合戦ゆかりの須磨区とかけて、落ち武者の格好で市内を練り歩いたPR動画を制作したり、久元喜造神戸市長が出席したイベントで大人数の仲間と“エアカンチョー”をしたり…。「役所の業務とは懸け離れたが、大まじめにヘンなことをするのも、地域の豊かな資源になるかもしれない。どうせやるなら楽しく、だね」。次のスマジン開催に向けて、意欲を燃やしている。

 最後に衣笠さんに尋ねてみた。「『スマジン』って『須磨人』? ですか」

 「いえ、『sumagine』と書きます。キャッチコピーはもちろん『須磨で想像してごらん』」

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