神戸

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目玉のハシビロコウ。間近で観察できるのが売りだ=神戸どうぶつ王国
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目玉のハシビロコウ。間近で観察できるのが売りだ=神戸どうぶつ王国
コビトカバに餌を与える長嶋敏博さん=神戸どうぶつ王国
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コビトカバに餌を与える長嶋敏博さん=神戸どうぶつ王国
植物の管理やレイアウトを担当する南都善彦さん=神戸どうぶつ王国
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植物の管理やレイアウトを担当する南都善彦さん=神戸どうぶつ王国
親鳥の足元でよちよち歩くクロエリセイタカシギのひな=神戸どうぶつ王国
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親鳥の足元でよちよち歩くクロエリセイタカシギのひな=神戸どうぶつ王国

 「花と動物と人とのふれあい共生パーク」をうたう神戸どうぶつ王国(神戸市中央区港島南町7)。前身の神戸花鳥園から運営会社が代わり、2014年にオープン。110種600頭羽の動物と、100品種以上の植物を観察できる。鳥や犬のパフォーマンスショーや、生態を解説するトークショーなどで集客を伸ばし、18年度の来園者は神戸花鳥園時代の倍以上になる延べ約88万人を記録した。6月下旬、動植物を自然に近い姿で見せるために奮闘する飼育員2人に密着した。(村上晃宏)

■午前8時半

 「まずは掃除」。フラミンゴやペリカン、キツネザルなどが生息するエリア「アフリカの湿地」を担当する長嶋敏博さん(30)と一緒に園内を回る。多くの水鳥は放し飼いのため、通路に排せつ物が落ちる。その掃除が毎日の業務の始まりだ。

 その時、無線が鳴り、長嶋さんはある鳥の所へ足早に向かった。「ひなが生まれた。ほら、親鳥の足元」とささやく。細長いくちばしと足が特徴のクロエリセイタカシギ。体長約5センチの小さなひなが、親鳥の足元でよちよちと歩いていた。温めていた卵が今朝、かえったらしい。

 だが、大変なのはふ化してから。ひな鳥が親鳥のまねをして餌を食べたり、水を飲んだりできるか、親が育児を放棄しないか、心配は尽きない。長嶋さんは「飼育員が近づくと警戒するので遠くから見守らないと」と優しい目を向けた。

■午前10時

 来園者が姿を見せる。動物に触れられるほど近い距離で観察できる同園では、客と動物の接触に注意が必要だ。さらに、動物の体調変化に注意しながら餌をやり、掃除をし、質問に来た子どもに解説する…。日中はこうして過ぎていく。

■午後2時

 20日にオープンする新エリア「アクアバレー」の工事現場で、植物を担当する南都善彦さん(34)が難しい顔で考えていた。「どういう植物を、どこに配置すれば、より自然な姿を見せられるだろうか」

 植物の管理やレイアウトを全般的に担う南都さん。植物を選ぶ際はいつも頭を悩ませる。エリアにいる動物のもともとの生息地域にある植物か▽動物にとって毒性はないか▽エリアに搬入可能か-。園内を歩き回り、枯れ葉や折れた木を処理しながら、頭の中は考え事ばかりだ。

 目指すのは「動物を探す」エリア造り。木々や花々の間に隠れる動物を来園者が探し出す。そんな場所があったら、動植物の最も自然な姿を反映できると考えている。通路をあえてジグザグにしているのも、ジャングルのイメージに近づけたい故。「お客さんを驚かせる造りにしたい」と笑う。

■午後5時

 閉園が近づくと、長嶋さんは一部の鳥を獣舎へ連れて行く。ハシビロコウ2羽には、ホースで水を掛け始めた。「雨期が近づいたと思わせ、繁殖を促している」と説明する。

 ハシビロコウはアフリカに生息する体長約1・2メートルの鳥で、絶滅が危惧されている。鋭い目つきと動かないことで有名。同園のパンフレットの表紙を飾る「看板」で、長嶋さんはその繁殖にも力を注ぐ。

 しかし、繁殖の成功例はアメリカとベルギーのみで、国内にはない。同園には14年に雄のボンゴ、15年に雌のマリンバがやってきたが、2羽はまだ求愛行動を取っていない。

 長嶋さんは巣作りに適した木材を用意するなど、繁殖しやすい環境づくりに精を出す。近年は大学と連携し、ホルモン数値の推移から繁殖期を突き止める研究にも取り組む。「繁殖を成功させ、次につなげたい」と瞳に炎を宿らせる。

■午後5時半

 閉園し、来園者が帰宅の途につく。大人は満足げな表情で、子どもの瞳はキラキラしたまま。「かわいかったね」「また来たいね」。そんな声がこだまする。同園のスタッフ124人の努力が実を結びつつある。

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