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消費者に畳の選び方を伝えるマニュアルを完成させた保田貴政さん(左)と下醉尾祐希さん=神戸市西区高塚台3
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消費者に畳の選び方を伝えるマニュアルを完成させた保田貴政さん(左)と下醉尾祐希さん=神戸市西区高塚台3
熊本産のい草を使った国産品(上)に比べ、目が粗く緑っぽい中国産の畳
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熊本産のい草を使った国産品(上)に比べ、目が粗く緑っぽい中国産の畳

 日本の和室に欠かせない「畳」で、小売店による産地偽装が横行している。安価な中国産を国産に見せかける業者から消費者と産地を守ろうと、神戸市西区の老舗畳店「畳のヤスダ」の三代目保田貴政さん(28)と、いとこで従業員の下醉尾祐希さん(28)は正しい畳の選び方を伝えるマニュアルを完成させた。2人は「産地を守るためにも、正しい知識を身につけてほしい」と強調する。(伊田雄馬)

 「全然違うでしょう」

 保田さんはそう言い、畳に張るゴザ2枚を指さした。一方は一畳約5千円の中国製、もう片方は同1万8千円の国産の最高級品。国産は織り込まれたい草の本数が多いためきめが細かく、白っぽい光沢がある。「国産は一度買うと20年は交換する必要がないが、中国製は5年もすればささくれが目立ってくる。足触りの滑らかさは比べものにならない」と力を込める。

 国産い草は、フローリングの普及や農家の高齢化などで生産量が落ち込んでいる。そこに追い打ちを掛けるのが畳店による産地偽装だ。国産の9割を生産する熊本県の業界団体「熊本県い業生産販売振興協会」が2007年に行った調査では、国内生産量の約2倍もの“国産畳”が流通しているとの結果が出たという。

 産地でい草農家から偽装の話を聞いた保田さんは、消費者と農家を守ろうと啓発活動を展開。小学校に国産畳を寄付するなどしてきたが、新たにマニュアルの作成を決意し、全54ページの冊子を作り上げた。

 「畳にすき間がある」「タオルで拭くと緑色がついた」など、これまで顧客から寄せられた被害の相談を例に「値段が高いからといって、必ずしも良質なものとは思わないで」と警鐘を鳴らす。高級品と安物の見分け方や手入れ方法、信頼できる畳店の選び方なども解説している。

 先着100人に無料で配布するという。同店TEL0120・88・2563

■安すぎる商品はワケあり 見分けが難しい畳の産地偽装

 畳の産地を偽装するのは簡単。国産畳の中央に貼られた円形のシールをはがして中国産のゴザに貼り替え、い草の間に挟み込まれたタグを挟み直すだけで、慣れれば一分も掛からない。

 兵庫県立消費生活総合センターによると、畳について寄せられた相談は10年間で85件あったが、ほとんどが「チラシより高い金額を請求された」など価格に関して。産地に関する相談は3件にとどまったという。

 保田さんは「畳に詳しくない消費者には見分けが難しく、そもそも国産かどうかを疑わない」とし、消費者が偽装に気づいてないケースが多いと指摘する。

 マニュアルでは高級品を見分けるため、(1)い草の長さが1メートル以上のもの(2)織り込まれた糸が綿ではなく麻であること(3)色がそろっていること-の3点を確認すべきとしている。保田さんは「安すぎる畳には必ず理由がある。畳を替える時は最低でも2社から見積もりを取り、適正な価格のものを選んで」と訴える。

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