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週5日ほどは神社の境内を掃除するという鈴木誠臣さん=弓場八幡神社
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週5日ほどは神社の境内を掃除するという鈴木誠臣さん=弓場八幡神社
弓場八幡神社の本殿(同神社提供)
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弓場八幡神社の本殿(同神社提供)
鈴木誠臣さんの長男、マック鈴木氏
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鈴木誠臣さんの長男、マック鈴木氏

 須磨区在住の男性からの投稿「地元の小さな神社をほぼ毎日掃除して、面倒を見ている人がいる。ぜひ取り上げてほしい」

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 地元の小さな神社とは、神戸市須磨区南町3にある弓場八幡神社。平安時代の創建とも伝わり、境内には名前の由来となった三十三間(約60メートル)の弓の練習場があったとされる。訪れた6月中旬の朝も、確かに、ほうきを持って境内を掃除している1人の男性がいた。「あのー」。思い切って声を掛けてみた。「有名野球選手の父親とお聞きしたのですが-」。男性は静かにうなずいた。(長沢伸一)

 鈴木誠臣さん(71)。長男は須磨区出身で、米・大リーグのマリナーズやロイヤルズ、日本のプロ野球オリックスなどでプレーしたマック鈴木氏だ。マック氏や孫も同神社の子どもみこしに参加したことがあるという。「野球で活躍したとかはどうでもいい。息子の良いところは親に口答えしないこと」と口にする。

 同区で電気工事関係の仕事をしている鈴木さん。週5日ほどは神社の掃除をし、境内や周囲に生えた木や竹の手入れもする。体力の衰えを感じることも増え、作業中に熱中症になったこともある。それでもほぼ毎日神社に足を運ぶ。

 何が鈴木さんを突き動かすのか-。

 「ひどいありさまでしょう。阪神・淡路大震災で被害を受けたときの神社の写真です」

 社務所で取材中、鈴木さんは数枚の写真を取り出し、語り始めた。鳥居は倒れ、社務所は倒壊して、惨状の中に本殿だけが残っていた。

 「震災後、社務所を建て直すため、必死に寄付を募る地域の先輩たちの姿は、今でも目に焼き付いている」と鈴木さん。「震災の時の先輩の姿や神社に毎日熱心に拝みに来る人を見ていたら何かしなければと体が動くんですよ」と笑う。

 同神社で毎年8月23日に行われている地蔵盆には、地域の子どもなど約千人が集まる。ここ数年は参拝者にかき氷を振る舞っているが、顔を上げる暇もないほどだという。「どこにこれだけ子どもがいたのかと思うほど。体の動く限り掃除を続けたい」と力を込めた。

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