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巨大な和船の模型。日本各地に富をもたらした海運業の歴史を伝える=神戸市東灘区深江南町5
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巨大な和船の模型。日本各地に富をもたらした海運業の歴史を伝える=神戸市東灘区深江南町5
瀬戸内海の海路を描いたびょうぶ。大阪から厳島までの地勢を色彩豊かに描く=神戸市東灘区深江南町5
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瀬戸内海の海路を描いたびょうぶ。大阪から厳島までの地勢を色彩豊かに描く=神戸市東灘区深江南町5
福井・小浜湾に入港する北前船の古写真。構造や積み荷の様子などを記録する=神戸市東灘区深江南町5
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福井・小浜湾に入港する北前船の古写真。構造や積み荷の様子などを記録する=神戸市東灘区深江南町5

 江戸から明治時代にかけて北海道と大阪の間を瀬戸内海、日本海経由で交易した北前船を主題にした企画展「和船の活躍した時代」が、神戸大学海事博物館(神戸市東灘区深江南町5)で開かれている。北前船にまつわる文化財が「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間-北前船寄港地・船主集落」として、文化庁の日本遺産認定されたことを受けて企画。海路がにぎわい、各地に繁栄をもたらした往事を、約50点の資料でたどる。

 陸路の物流が未発達だった江戸中期から明治中期は、物資の大量輸送を海路に頼っていた。特に日本海や瀬戸内海を経由する「西廻り航路」は、風を待ち、荒天を避けられる天然の良港に恵まれていたことから発展した。この海路で往来した廻船が北前船と呼ばれる。

 北前船で活躍した商人では、兵庫県の淡路島出身の高田屋嘉兵衛(1769~1827年)が有名。神戸・兵庫津に出て船乗りになり、北海道・函館を拠点に財をなし、日ロの外交摩擦も解決した。嘉兵衛の故郷である同県洲本市や、本店を構えた神戸市など全国45市町が日本遺産となった。企画展では、日本遺産に登録された所蔵資料を中心に公開する。

 和船模型は彫刻や装備品を精巧に再現。正月に船主の家で飾って商売繁盛を願う山陰の風習も伝える。

 航海の安全を祈って寺社に奉納した絵馬や、天文知識による航海術をまとめた書物「廻船用心記」も並び、常に危険と隣り合わせだった仕事ぶりを物語る。

 瀬戸内海の航路や距離を概略的に描いた絵図も展示。兵庫、明石、由良(淡路)といった地名が記され、要港が県内各地にあったことが見て取れるほか、河川、城、寺院、沿岸防備の砲台も記号で示している。

 福井・小浜湾で帆走、係留する北前船の古写真も掲示。明治後期から大正初期にかけて撮影されたもので、港の活気や船の威容が克明に映し出されている。

 「北前船は海上を移動する“商店”的な存在。寄港地は交易で大きな富が生まれ、さまざまな文化交流もあった」と矢野吉治館長は解説。「板子一枚下は地獄と言われ、大変な苦労をしながら荒波を越えた船主や船頭の夢をたどってほしい」と観覧を呼び掛ける。

 企画展は来年3月30日まで。月、水、金曜の午後1時半~同4時。無料。祝日と8月8~22日、12月21日~来年1月14日は休み。11月2日にセミナーがあり、12月以降は同大百年記念館などで巡回展も催される。同館TEL078・431・3564

(佐藤健介)

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