神戸

  • 印刷
旧甲子園ホテルで撮影された「五月晴」に写る、幼い自分の姿に見入る中島道晴さん=神戸映画資料館
拡大
旧甲子園ホテルで撮影された「五月晴」に写る、幼い自分の姿に見入る中島道晴さん=神戸映画資料館
神戸海港博覧会の第1会場
拡大
神戸海港博覧会の第1会場
来神した浜口雄幸(中央)
拡大
来神した浜口雄幸(中央)

 1930(昭和5)年の「神戸海港博覧会」などを記録した16ミリフィルムの調査が、神戸映画資料館(神戸市長田区腕塚町5)で進んでいる。当時最先端のカラーフィルムを含む約70本のコレクションで、撮影者は神戸で貿易会社を営んでいたアマチュア映画作家と判明。郷土の歴史を伝える貴重な映像資料で、25日に同館で上映される。(田中真治)

 フィルムは、同館の安井喜雄館長が3年前に古物商から入手。劣化が進んでおり、一部はデジタル化するなど復元に取り組んできた。

 観艦式を記念し開催された「神戸海港博覧会」は、42日間の会期中100万人以上を集めたイベントで、商工業者の仮装行列やパビリオン、アトラクションの「人間大砲」などを撮影。また「第1回みなとの祭」(33年)は、祭の女王戴冠式や花自動車の行進、懐古行列など2日間の主な催しを収録する。神戸の映画史に詳しい板倉史明・神戸大准教授は「祭の各プロセスを記録し、地域映像史的に興味深い」とする。

 タイトルのクレジットやフィルム缶のラベルによると、大半は「中島長一郎」の撮影。古い人事興信録などから、明治創業の神戸の花むしろ輸出業者「角中」(現・角仲)2代目社長と判明した。

 「五月晴」(37年)は、兵庫県西宮市の甲子園ホテル(現武庫川女子大甲子園会館)で家族を撮影した作品。デジタル化により、新緑のまぶしい庭園で遊ぶ子どもたちや舞妓の姿が、色鮮やかによみがえった。「セーラー服で駆け回ってる子どもが私。うっすら覚えてます」と次男の道晴さん(85)=西宮市=は懐かしむ。

 16ミリなど家庭用の「小型映画」は30年代に富裕層に普及し、愛好家のクラブが発足。「五月晴」もコンテストで1等に輝いており、「ハイカラで凝り性な人で、えらい自慢してました」と道晴さんは記憶する。

 しかし、戦時体制でフィルムが手に入りにくくなり、アマチュア映画は衰退。「戦後はもう16ミリを撮ってませんでした」と道晴さんは話す。疎開させた家財道具の中にあったフィルムは空襲を免れたが、転居などに伴い処分されたようだ。

 ほかにも、第2回普通選挙で演説する浜口雄幸と犬養毅の与野党総裁ら、神戸を訪れた歴史的人物の姿や風景を多数記録。アマチュアの映画文化を再発見する資料として注目される。

 25日午後3時から「神戸発掘映画祭」(神戸新聞社など後援)のプログラムとして上映。神戸映画資料館TEL078・754・8039

神戸の最新
もっと見る

天気(5月28日)

  • 27℃
  • ---℃
  • 0%

  • 25℃
  • ---℃
  • 0%

  • 27℃
  • ---℃
  • 0%

  • 30℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ