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韓国人留学生の血圧を測る黒野利佐子准教授(右から2人目)と女子学生=神戸市兵庫区中道通2
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韓国人留学生の血圧を測る黒野利佐子准教授(右から2人目)と女子学生=神戸市兵庫区中道通2

 外国人労働者や留学生の健康と暮らしをサポートする取り組みが、神戸市兵庫区の国際交流シェアハウス「やどかり」で進められている。神戸常盤大学(同市長田区)看護学科の教員や学生が週に一度、健康診断や生活相談に無料で応じる「しんかいち国際保健室」を開設。過酷な労働環境や、慣れない生活に苦労する外国人の心のより所になっている。(津田和納)

 「冷凍庫の中と外を行き来すると頭が痛くなる」。日本語学校で学びながら、夜は食肉加工会社で働くブータン出身のウゲンニマさん(23)は、保健室をよく利用する常連の一人。英語で相談すると、同大学の黒野利佐子准教授(55)が「防寒具はある? 自律神経が崩れるから、ゲームをしすぎず、しっかり睡眠をとって」と助言した。

 今春に開設された保健室は、やどかりの一室を利用。訪れる外国人の母国はさまざまだ。

 黒野准教授や学生たちはボランティアで、生活のリズムや悩みなどを聞き取っていく。インドネシアの女性には日焼け止めの種類を説明したり、タイの女性が抱える職場での悩みにも耳を傾けたりする。

 また、血圧の測定など健康管理も行う。黒野准教授らが「ブラッドプレッシャーも大丈夫ね」と、利用者に語り掛け、健康状態や測定結果をノートに書き込むよう促した。

 「夜寝られない」とこぼす外国人留学生もおり、黒野准教授は「不衛生な環境での生活が続くと、睡眠や栄養が不足し、感染症にかかるリスクが高まる」と気に掛ける。

 法務省によると、日本に住む外国人は2018年末に273万人を超え、過去最高を記録。改正入管難民法の施行を受け、今後も増加するとみられる。だが、就労目的で来日した留学生や外国人実習生が劣悪な環境で働かされることが問題となっており、住環境の保障や医療へのアクセスが大きな課題となっている。

 「やどかり」を運営するNPO法人「ワンセルフ」の中野みゆき理事長(35)も、外国人が医療機関で受診する難しさを肌身で感じてきた。「お金がかかるため、病院に行かない子が多く重症化しやすい」と指摘。「適切な時期に、スムーズに治療を受けられる仕組みづくりが必要」と話す。

 黒野准教授とタッグを組み、体調が悪い時はもちろん、普段からさまざまな悩みを相談できる「保健室」の開設を思い立った。

 黒野准教授は「病気の予防活動をしていると、早期発見につながる。今後は、いろいろな医療機関とも連携していきたい」と話している。

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