神戸

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喫茶チェリーの店主大嵜喜美代さん。内装は重厚感あるれんがつくり=神戸市兵庫区御所通1
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喫茶チェリーの店主大嵜喜美代さん。内装は重厚感あるれんがつくり=神戸市兵庫区御所通1
常連客と一緒につくったロコモコ=神戸市兵庫区御所通1
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常連客と一緒につくったロコモコ=神戸市兵庫区御所通1
喫茶店「アミカ」を営む清水国男さん(左)と和子さん夫婦=神戸市兵庫区和田宮通5
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喫茶店「アミカ」を営む清水国男さん(左)と和子さん夫婦=神戸市兵庫区和田宮通5
店の外観もレトロだ=神戸市兵庫区和田宮通5
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店の外観もレトロだ=神戸市兵庫区和田宮通5

 和田岬線の車窓から見えたレトロな建物、「喫茶チェリー」(神戸市兵庫区御所通1)を訪ねた。ドアを開けると、れんが造りの内装が目に入る。中では常連客が、たばこをくゆらせながら、新聞に目を落としていた。

 創業は1975年ごろ。店主の大嵜喜美代さん(62)の父母が、雑貨店だった店舗を改装し始めた。昼時になると、近隣の工場で働く従業員らが次々に来店し、約30ある席はたちまち満席に。人気の理由の一つは、食事メニューの多さだ。

 その数はなんと50種類以上。だしを使った焼きめしやオムライスといった定番から、ピラフにカレーをかけた「カレピ」やロコモコなど常連客と一緒に考えた“隠しメニュー”まで盛りだくさんだ。「お客さんの『あれ食べたい』の声に応えていたら、いつのまにかメニューが増えちゃって」と大嵜さん。妹の永野久美さん(59)と一緒に料理を仕込み続ける。

 大嵜さんは「お客さんが料理をペロっとたいらげるのを見るのが好き。昔に比べて人は減ったけどね。店が楽しくてしょうがない」と笑う。

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 兵庫区を歩いて気付くのは喫茶店の多さだ。タウンページで数えた喫茶店の数と人口を対比させた結果、別格の同市中央区を除き、「兵庫区が第1位」との調査結果を発表した大学の研究もかつてあったほど。工場が立ち並ぶ和田岬線沿線にも歴史を刻む“純喫茶”が軒を連ねる。

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 JR和田岬駅から道路を渡ってすぐの場所にある喫茶店「アミカ」(同区和田宮通5)も、チェリーと同様、そのたたずまいと懐かしく温かい店内が「昭和感」を漂わす。

 親類が1971年に開いた店を、店主の清水国男さん(76)と妻和子さん(73)が切り盛りする。客の大半は三菱重工神戸造船所で働く従業員たちだ。

 店内は70席もある。開店当初は半分ほどの広さだったが、造船景気を追い風に、居住スペースを取り壊し、店として増築した。

 造船所が2交代だったころは、昼間は船への溶接などを終えた従業員たちが大挙して押し寄せ、夕方には帰りの和田岬線の列車を待つ人々が、仕事や遊びの話に花を咲かせた。最近では、満席になることは珍しくなったが、そのレトロな雰囲気を目当てに、大阪や岡山などから、喫茶店ファンが訪れることもあるという。

 和子さんは「この店は、ずっとここでやってきた私たちの努力の証し。できるところまでは、コーヒーを入れ続けますよ」と柔和な表情をのぞかせる。

 年季の入った暖色のシャンデリアが、今日も来店客を優しく照らしている。(杉山雅崇)

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