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県の借り上げ復興住宅に住む中島民子さん=神戸市兵庫区
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県の借り上げ復興住宅に住む中島民子さん=神戸市兵庫区
低層階の赤レンガが印象的だ=神戸市兵庫区
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低層階の赤レンガが印象的だ=神戸市兵庫区
昨年12月に開かれたクリスマス会の様子=神戸市兵庫区
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昨年12月に開かれたクリスマス会の様子=神戸市兵庫区

 「117世帯」

 JR兵庫駅(神戸市兵庫区)前の「キャナルタウンウエスト」(約1200戸)の借り上げ復興住宅で今も暮らす被災者の世帯数だ。県が83世帯、市が34世帯。ピーク時(計約650戸)の5分の1まで減った。

 昨年12月22日、ウエスト2号棟集会所に約40人の高齢者が集まった。元住人の影本峯子さん(78)が運営する「キャナルふれあい給食会」と「キャナル元気いきいき会」の合同クリスマス会。集会所はカラフルに飾り付けられ、お弁当やコーヒーが振る舞われた。

 「今日はプレゼントもありますよ。楽しんでね」。サンタ帽をかぶった影本さんらがかいがいしく動き回る。ボランティアの吉川章子さん(75)も「いつもより多いわね」と顔をほころばせた。

 給食会は一人暮らしの高齢者の見守りを兼ねて約20年前に始まった。約10人のボランティアはほぼ高齢者。「いつまで続けていけるかな」と影本さんは声を落とす。

 その中にひときわ笑顔を絶やさない女性がいた。給食会の常連、中島民子さん(74)だ。短髪がトレードマークの明るい性格。脚に長年の持病があり、手押し車を押しながらの参加だった。

 中島さんは兵庫区のアパートで被災し、西区の復興住宅に移住。1998年頃に県の借り上げ住宅に当選し、以来住み続けている。「キャナルに入れたときはめっちゃうれしかった。昔からのお友達とも会えるし」と振り返る。

 影本さんらが立ち上げた喫茶や給食会には最初から参加し、未参加の知り合いにも積極的に声を掛けてきた。その訳は、同じ被災者の悲しみを見続けてきたからだ。

 「高齢の単身者が多かったから、孤独死したり、自ら命を絶った場面に出くわしたりもした。やっぱり誰かとしゃべらんとな。大事なんはつながりや」

 中島さんは、近所で知人に尋ねられた時にすぐに答えられるよう、参加行事のスケジュールはすべて頭に入れているという。

 20年の返還期限を迎え、県の年齢条件に満たなかったが、脚が悪いことなどが考慮され、継続入居が認められた。

 「今さら別のところには住まれへん。ほんまにありがたい」

       □

 取材を始めるまで「キャナル=災害復興住宅」のイメージがあったが、震災から25年を迎える今、キャナル全体(約1700戸)の被災者割合はわずか約7%だ。20年問題で住民が入れ替わったこの街で何が起きているのか。住民コミュニティーを脅かすショッキングな数字を耳にした。(伊田雄馬)

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