神戸

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桂あやめさん
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宝塚歌劇のパロディーを披露する「花詩歌タカラヅカ」。非公認だが本家からのファンも多い(桂あやめさん提供)
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宝塚歌劇のパロディーを披露する「花詩歌タカラヅカ」。非公認だが本家からのファンも多い(桂あやめさん提供)

 兵庫・新開地に2018年7月、上方落語の定席となる「喜楽館」がオープンした。かつて「神戸最大の歓楽街」と称された新開地にとって、喜楽館の存在は悲願の復活だけでなく、地域活性化の礎としての役割も持ち合わせる。そこには、地元で生まれ育った女性落語家・桂あやめさん=大阪市=の存在なしには語れない。落語に魅了されたあやめさんの半生と、喜楽館のファン獲得に向けたさまざまな取り組みを聞いた。(久保田麻依子)

 あやめさんは、新開地にほど近い神戸市兵庫区荒田町で生まれ育った。どことなくディープなたたずまいの街だということは幼い頃から感じていたが「友達の家がトルコ風呂(ソープランド)を営んでいたり、キャバレーの娘ややくざの子は珍しくなかったから、『いろんな人が、それぞれの人生を生きている』のが日常。新開地は家族で外食するなじみの店も多かった」と懐かしそうに笑う。

 家庭でお笑い番組を見る機会はなかったが、中学の鑑賞会で初めて見た落語は印象深かった。その後、若い女の子の間でお笑いブームが到来。17歳のあやめさんは落語家の追っかけに夢中になり、時間を見つけては兵庫区民寄席などに参加し、当時としては珍しい女性落語家の道を歩むことになった。

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 新開地に演芸場が約40年ぶりに復活する-。そんな話が2015年頃に持ち上がった。しかし上方落語協会内からは「新開地は人歩いてへんやん。大阪(天満天神繁昌亭)のようにはならへんのちゃう」と厳しい意見が根強かった。地元出身という縁があり、神戸繁昌亭(喜楽館の仮称)の設立準備委員を務めていたあやめさんは、仲間と共に、新開地一帯や東山商店街を案内するツアーを実施。慎重論を唱える協会員を説得した。「ミナエンタウンに、絶妙な組み合わせの2本立てを上映するミニシアター、ちょっとなまめかしい福原なんかもあってね。いろんな世界が凝縮されている街はなかなかないでしょう」。喜楽館の設立が正式に決まったときには、地元の誇らしさと同時に「集客を安定させなくては」という責任感も背負った。

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 あやめさんは喜楽館のオープン以来、利用促進委員として活動し、これまで落語と接点がなかった人を巻き込む企画作りに励む。

 人気の企画の一つが、宝塚歌劇を模した芝居やダンスを落語家が披露する企画「花詩歌タカラヅカ」だ。観劇やDVD鑑賞で鍛えた本格的な演技と、100円ショップを駆使しつつも再現性にこだわった衣装に引き込まれ、非公認ながら本家のファンや現役のタカラジェンヌも足を運ぶ。「新開地に来たことのないようなマダムが商店街に姿を見せるようになった」と笑う。

 新開地の交通網が充実していることから着想を得て、鉄道と落語を掛け合わせた「鉄道ウイーク」(24日~)や、「映画の街・神戸」をヒントに企画を考えたりと、アイデアは尽きない。あやめさんは「新開地の魅力は1回来たくらいでは伝わらない。喜楽館に来たお客さんが、帰りにふらっと立ち寄りたくなるお店やグルメもどんどん増えてほしいね」と期待を寄せた。

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