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「居場所」は「生き場所」と訴えるパネリストら=神戸市中央区下山手通4
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「居場所」は「生き場所」と訴えるパネリストら=神戸市中央区下山手通4

 ひきこもりの当事者や家族を支援する全国の自治体窓口のうち、当事者らが集える居場所を設けているのは2割に満たないという調査結果が16日、神戸市中央区の兵庫県民会館であった「『未来の居場所づくり』シンポジウム」で報告された。ひきこもりの長期化や高齢化、50代の当事者と80代の親が困窮する「8050問題」が懸念される中、元当事者らは「まず本人が安心でき、交流できる場があることが、一歩を踏み出す力になる」とその必要性を訴えた。

 国は「趣味の場や近所には出掛ける」状態を含め、6カ月以上経過した人について「広義のひきこもり群」と定義。15~39歳が51万人、40~64歳は61万人と推計している。支援拡充を掲げ、2018年度から居場所もサポート事業に位置付けた。

 シンポは、KHJ全国ひきこもり家族会連合会が主催。境泉洋・宮崎大准教授が、全国の支援窓口1393カ所を対象にした調査の結果を基調報告した。

 回答があった929カ所のうち、居場所を設けているのは174カ所にとどまり、設置していない理由で「必要性が生じれば検討する」「必要性があるかどうか分からない」が約6割に達したことを紹介。居場所を設ける窓口でも、年齢制限があったり、女性への配慮に欠けていたりするという課題も指摘した。

 パネル討論では、支援者や当事者家族らが「いま外に出られないのは、安心できる場が家以外にないということ」と強調。プラモデルやアニメ、ガーデニングなどの場が居場所になった例を挙げ、「障害者手帳の取得など条件で排除されないことが大切だ」とした。

 元当事者で一般社団法人ひきこもりUX会議代表理事の林恭子さんは「『地元は怖い』という人もいる。近隣市が連携し、いつもどこかで開催していることが外出の動機にもなる」と話した。(広畑千春)

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