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温度がそれぞれ違う、朝日温泉の5種類の浴槽=神戸市兵庫区永沢町2(佐々木勝司さん提供)
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温度がそれぞれ違う、朝日温泉の5種類の浴槽=神戸市兵庫区永沢町2(佐々木勝司さん提供)
若者に銭湯をアピールする芦原温泉のポスター=神戸市兵庫区湊川町2
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若者に銭湯をアピールする芦原温泉のポスター=神戸市兵庫区湊川町2

 自宅に風呂があろうとも、何度も通いたくなる。神戸市兵庫区には、そんな魅力的な銭湯が少なくないらしい。「どこがいいかって? それを知るには、ひとっ風呂浴びてから」。あるじの勧めるまま、とりあえず湯船に漬かると、あぁ極楽。湯上がりに周りを見渡せば、グループや若い女性の姿もある。いつの時代も変わらないのは、湯のぬくもり。この喜びを伝えようとチャレンジする、店主の心意気を聞いた。(喜田美咲)

【朝日温泉】

 朝日温泉(永沢町2)は都会のオアシス。その名の通り、源泉掛け流しの温泉が公衆浴場料金の450円で楽しめる。「湯冷めしない温泉の魅力を味わって」と、店主の佐々木勝司さん(78)は自信をみせる。

 1941年の創業で、佐々木さんは3代目。91年に建て替えていたため、4年後の阪神・淡路大震災では倒壊を免れた。10日後には再開し、押し寄せる被災者を1時間交代制で迎え入れた。

 地震も、温泉も、地球の運動が関係しているとされる。「ここでも温泉が出るのでは?」。そんな周囲の声に押されて試掘したところ、700メートルの地下から毎分400リットルの温泉がわき出ることが判明した。

 源泉浴槽に温度の異なる温泉浴槽、鉄分豊富な「黒の泉」のほか、電気風呂や気泡風呂、冷水風呂など浴槽はバラエティー豊かに9種類。サウナも、高温とスチームの2種類を取りそろえる。

 評判を聞いて訪れる県外の銭湯ファンも多いといい、ツーリングなどの途中に汗を流す団体客も。銭湯の黄金時代に比べれば減ったとはいえ、今でも日々、数百人が体と心をときほぐす。

 「目指すは斜陽産業のナンバーワン」。冗談めかして宣言する佐々木さん。家族を含め従業員10人によるおもてなしに、心もあったかくなる。

【芦原温泉】

 「日本一若者が訪れる銭湯に」。そんな野望を口にするのは、芦原温泉(湊川町2)の安田孝さん(50)。オールナイト営業や女性専用の岩盤浴は「ほんの序の口」。まさにホットな、チャレンジする銭湯だ。

 100年近い歴史があるという芦原温泉も、転機は阪神・淡路大震災だった。

 翌96年7月に建物をリニューアルするにあたり、浴槽の数を増やした。数年前には故障していた女湯のサウナも岩盤浴に改装した。周囲のリクエストにより、深夜営業にも踏み切った。現在の営業時間は、午後2時~翌午前10時。「近くの飲食店で遅くまで働く人たちの疲れを癒やせたら」。安田さんの心配りが肌にしみる。

 最近は、年配客のイメージがある銭湯に若者を呼び込もうと、広報に力を入れる。一昨年から会員制交流サイト(SNS)やブログで情報発信を始め、昨年からは写真共有アプリ「インスタグラム」に、来店した若者たちの写真をアップしている。

 「最初の頃はリアクションも少なく、更新をやめようかと思ったこともあった」と安田さん。でも、地道に続けているうちに、「友人が載せているのを見て来ました」「私たちも撮ってほしい」と、声を掛けられるようになったという。

 「かつては日常だった銭湯が、非日常として若者に受けるよう、挑戦し続けていきます」。安田さんの言葉は熱い。

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