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バランス感覚を鍛える訓練に取り組むエルフと横野雅彦警部補=神戸市須磨区緑が丘2
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バランス感覚を鍛える訓練に取り組むエルフと横野雅彦警部補=神戸市須磨区緑が丘2
おもちゃをもらってご満悦のエルフ。横野雅彦警部補に甘える=神戸市須磨区緑が丘2
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おもちゃをもらってご満悦のエルフ。横野雅彦警部補に甘える=神戸市須磨区緑が丘2
平瀬篤巡査部長に抱きかかえられる「いっちゃん」。山中では犬を担いで歩くことも=神戸市須磨区緑が丘2
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平瀬篤巡査部長に抱きかかえられる「いっちゃん」。山中では犬を担いで歩くことも=神戸市須磨区緑が丘2
兵庫県警直轄警察犬訓練所=神戸市須磨区緑が丘2
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兵庫県警直轄警察犬訓練所=神戸市須磨区緑が丘2

 優れた嗅覚と聴覚で犯罪捜査に貢献する警察犬。兵庫県警では12頭が日夜、「鼻の捜査官」として鑑識課員と共に活躍している。ここ数年は行方不明の高齢者の捜索要請が増え、出動も増加傾向に。現場の最前線を担う人間と犬の絆は、どうやって築かれるのか。神戸市須磨区の訓練場を訪ねた。(津田和納)

 冷暖房完備の飼育スペース「犬室」をのぞくと、シェパードが耳を立て愛らしい表情を見せていた。

 「エルフ、記者さんが来てくれたよ」

 横野雅彦警部補(53)が名前を呼ぶと、エルフ(雄4歳)が駆け寄ってきた。横野警部補は長年、警察犬を担当し、阪神・淡路大震災時も出動した大ベテランだ。「たくさんの犬を見てきました。マンツーマンで訓練から排便まで世話しますから、人と話すよりも、犬に話し掛けてる時間の方が長いですね」と笑う。

 屋内訓練場に移動すると、エルフの表情が引き締まったように見えた。5種類の異なるにおいの中から、事前に嗅いだにおいを選ぶ訓練では、わずか2~3秒で判別。「ワン!」とほえて知らせると、横野警部補からご褒美におもちゃを受け取った。「知能は人間の3歳程度で非常に高い。叱る時は厳しく、褒めて楽しませる訓練で成功体験を増やし、有事に備えています」

     ◇

 兵庫県警では1973年から直轄警察犬制度を導入。これまでに54頭が活躍してきた。

 出動の機会は年々増え、昨年は900件を超えた。うち8割が行方不明者の捜索で、犯人の足跡をたどるといった犯罪捜査の協力は2割にとどまるという。

 技術向上を目的に、他府県の警察との連携もここ数年で盛んに。大阪府警や岡山県警と合同訓練を行い、手法や最新情報を共有しているという。「限られた時間の中で、現場の即戦力となることを求められている」と横野警部補。「犬のわずかな反応も見逃さない集中力が必要。暗闇や山中を歩く訓練を繰り返し、犬との信頼関係を築きます」

     ◇

 若手の活躍も著しい。ラブラドルレトリバーの「いっちゃん」(雄4歳)と平瀬篤巡査部長(32)=現在は異動=のコンビは昨年12月、神戸市長田区で行方不明の高齢男性を救助。捜索開始からわずか18分で発見にこぎ着けた。

 足元でリラックスするいっちゃんをなでながら、「他の犬に比べて、対象物への執着心が強いんです。自分の犬が一番。自分の子どもみたいにかわいいです」と誇らしそうな平瀬巡査部長。だが、探し続けた行方不明者が遺体で見つかり、落ち込むこともある。

 「いら立ちや緊張感など、犬は人間の感情を敏感に読み取る。だから、常に冷静でいることが求められる」と平瀬巡査部長。「育てているようで、自分自身が成長させられていると感じます」。“人犬一体”の訓練で培われた絆は揺るぎない。

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