目指せオリンピック-。関西国際学園中等部(神戸市灘区)のフェンシング部1年、三輪うららさん(13)=西区=が日本フェンシング協会の海外派遣選手入りを果たすなど実力を伸ばしている。競技歴は約1年半だが、恵まれた体格を生かした戦法を習得。新型コロナウイルスの影響で部活は休止しているが、「今のうちに基礎を固めたい」と父明正さん(41)と二人三脚でトレーニングに励む。(伊田雄馬)
うららさんがフェンシング部の門をたたいたのは2018年冬、友人に誘われたのがきっかけだった。テレビでしか見たことがなかった剣と防具に触れ、「やってみると思ったより楽しかった」と入部を決めた。
部活動ではフットワークや体幹トレーニングを重点的に行い、基礎を体にたたき込んだ。もともとサッカーや体操に親しむスポーツ好き。指導する宮崎邦宏監督(75)は「とにかくまじめで吸収が早い」と評価する。
フェンシングは攻撃の有効部位によって、フルーレ、エペ、サーブルに分かれる。身長160センチでリーチがあるうららさん。「全身が有効面となるエペの方が腕の長さを生かせる」(宮崎監督)として、エペの練習に注力した。
相手の間合いの外から突く戦法を身に付け、初出場となった昨年8月の全国大会で31人の出場者のうち6位。宮崎監督は「基礎を身に付けた選手が多い中、健闘した」と驚く。
同年11月には、オーストラリア・シドニーに派遣され、現地の選手と手合わせした。「海外選手は体が大きいので突きを狙える場所も多いけど、剣をはたき落とされるほど力が強かった」とうららさん。初の国際試合に手応えを感じつつ、自身の課題も見つめ直した。
3月からは学校の体育館が使用できなくなり、家の壁につるした的を突いたり、テレワーク中の明正さんが防具を着けて相手役を務めたりと外出自粛を守りながら練習している。
「目標は日本一。オリンピックに出たい」とうららさんは話している。
