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約20年暮らすブラジルから一時帰国中のMAKOさん=神戸市中央区
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約20年暮らすブラジルから一時帰国中のMAKOさん=神戸市中央区
6月下旬のリオデジャネイロのビーチ。マスクを着用して歩く人が目立つ(Sergio Alberto de Silvaさん撮影)
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6月下旬のリオデジャネイロのビーチ。マスクを着用して歩く人が目立つ(Sergio Alberto de Silvaさん撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からず、感染者数・死者数で米国に次ぐ世界2番目となったブラジル。ブラジルで約20年間暮らす神戸市須磨区出身の歌手MAKO(本名・田中雅子)さんは日本へ一時帰国後、戻れなくなった。「経済格差が感染の広がりを生んでいる」といい現地の状況を心配している。(伊田雄馬)

 MAKOさんは幼少期からピアノを習い、大学時代にはジャズピアニストの小曽根実さん=故人=に師事し、歌を学んだ。神戸松蔭女子学院大を卒業後、小曽根さんが経営するジャズクラブで働き、サンバやボサノバなどブラジルの音楽と出合った。2000年ごろ単身、同国のリオデジャネイロに渡り、現在まで居住している。

 年2回は日本でライブを行い、今年は3月6日から約1カ月間、西宮市に滞在予定だった。ところが、ブラジル国内の感染者数が爆発的に増加し、やむを得ずブラジルに戻ることを断念した。8月10日時点で感染者約304万人、死者約10万人に達している。

 現地の知人からは日々、会員制交流サイト(SNS)などを通じて切迫した状況が伝えられる。「コロナによる死者があまりに多く、有名人でなければニュースにもならない」とMAKOさん。原因について貧富の差を指摘する。「スラム街に住む貧困層は識字率が低く、情報に触れる機会が限られているため、感染防止対策の重要性を認識していない」

 貧富の差は医療にも直結。中産階級以上が自費で保険に加入し、一定レベルの医療を受けられる一方、貧困層は公立病院しか選択肢がないという。「公立病院は以前から医薬品不足や設備の不備、医者への給料不払いなどが取りざたされ、医療レベルが高いとは言えない。コロナで患者が殺到し医療崩壊が起きている」と説明する。

 また、同国のボルソナロ大統領が「新型コロナはただの風邪」と軽視し、外出自粛や経済規制に否定的な態度を取ったことも影響。「経済的余裕のある人はSNSなどで情報交換し、できるだけ外出を控えているが、貧困層はいつも通り繁華街やビーチに出掛けているため、感染拡大は止まらない」という。

 同国で予定されていた自身の公演はすべて白紙になった。「リオで借りている部屋が泥棒に入られていないか不安。何より友人たちのことが心配だ。どうか無事でいてほしい」。遠い“第二の故郷”に思いをはせた。

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