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関本剛さんの著書
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関本剛さんの著書

 緩和ケア医として約千人の患者の看取(みと)りに携わってきた関本剛さん(43)=神戸市灘区=が昨秋、ステージ4の肺がん(脳転移)と診断され、余命2年の宣告を受けた。「看取りのプロ」が「看取られる側」となり、その心境や人生観などをつづった「がんになった緩和ケア医が語る『残り2年』の生き方、考え方」をこのほど出版。「緩和ケアは、心身を楽にして生きるための手助け。死ぬ間際のものというネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)できれば」と話す。(安福直剛)

 関本さんは消化器内科や緩和ケア病棟などでの勤務を経て、母・雅子さんが立ち上げた在宅ホスピス「関本クリニック」に勤務。2018年から院長を務める。主にがん患者を訪問診療し、年間50~70人を看取っている。

 著書では、緩和ケア医と患者という双方の立場から、生と死への考え方、人生観、家族など周囲に対する思いを率直につづる。

 死について語る章では、「自分ががんになって、初めて患者さんの苦悩と絶望の一端を知った」と吐露。患者の声に耳を傾けてきたつもりだったが、「最後の最後で人ごとだったかもしれない」と話す。

 自らの残りの人生について考えるとき、「『先生』となってくれたのは多くの患者さんたちだった」とも記す。最期まで自分らしい生き方を貫いた人、無理な延命よりも「美しく死にたい」と願い、それを全うした人-。

 「たくさんお手本となる方を見てきた。私は恵まれている」と前を向く。

 病状は現在も進行している。恐れているのは「認知機能の低下や性格変化、麻痺(まひ)などで自分が自分でなくなってしまう状態」。

 いたずらな延命よりも、普段通りの暮らしを望んでいる。今も治療を受けながら、スタッフの運転する車で訪問診療を続けている。

 「『お互い長生きしましょうよ』という言葉に魂が宿った。患者さんにも伝わるみたいです」

 宝島社刊。224ページ。1320円。全国の書店やインターネット書店で販売中。

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