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時計2020/11/12 05:30神戸新聞NEXT

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開店当初の「ロビン」=神戸市中央区海岸通2
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開店当初の「ロビン」=神戸市中央区海岸通2
「ロビン」2代目の陳泰雄さん夫妻=神戸市中央区海岸通2
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「ロビン」2代目の陳泰雄さん夫妻=神戸市中央区海岸通2
開店当初の「エビアン」=神戸市中央区元町通1
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開店当初の「エビアン」=神戸市中央区元町通1
現在の「エビアン」外観=神戸市中央区元町通1
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現在の「エビアン」外観=神戸市中央区元町通1

 1950年、コーヒー豆の輸入が再開され、60年には全面自由化される。高度経済成長の時代、喫茶店は全国的なブームとなった。ミナトが活気にあふれていた神戸にも、「たくさんの店ができ、いくつかは今も残っている」と、コーヒーライターの田中慶一さん(45)は言う。

 「乙仲(おつなか)通」。元町の南、栄町通と海岸通に挟まれた東西約800メートルの愛称だ。レトロなビルにおしゃれな雑貨店や古着店などが入る若者に人気のエリアだが、その名は海運貨物の取引を仲介する「乙種海運仲立業(乙仲)」に由来する。

 57年にオープンした喫茶店「ロビン」(同市中央区海岸通2)は、この地で長年愛されてきた。

 「作業ズボンに(荷物を引く)手かぎをぶら下げた男の人たちを『乙仲さん』と呼んでね。毎朝、事務所に寄る前に気に入った店でモーニングを食べたりコーヒーを飲んだりしていた」

 2代目の陳泰雄さん(57)は、往時をそう語る。

 周囲には喫茶店が20軒ほど立ち並び、午前7時台の店内はごった返した。毎日のように通う常連客たちは「ママさん付けといて」と声を掛け、慌ただしく仕事に向かった。回転の速さに対応するため、一度に10杯分を入れられるネルドリップにしたという。

 貨物のコンテナ化が70年代から進み、ターミナルがポートアイランドに移ると、乙仲さんの姿は消えていった。喫茶店も「残ったのはうちだけ」と陳さん。しかし、近年のまちの変化とともに「昭和の雰囲気がいい」と若者が訪れるようになったと歓迎する。

 JR元町駅前の穴門商店街の一角では、52年創業の「エビアン」(元町通1)がにぎわいを見せる。サラリーマンや近くの商店主、買い物客や画廊帰りの芸術家と客層は幅広く、カウンターの向こうでサイホンが休みなく働く。

 「サイホン式の珍しさが好まれると、創業者の父親が関西でいち早く取り入れた」と、運営するコーヒー卸会社「七洋社」の鎌田良司社長(73)。一度に5杯分をたてられるという、スピード感がありがたい。

 「『ちょっと喫茶店へ』という文化がなじんでくる中、待たずに飲めるような店が人気を集めた」と田中さん。深い味わいと変わらぬ雰囲気に魅せられる。(小谷千穂)

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