コロナ禍にエール 桂文福さん一座がお笑いライブ

2020/12/10 05:30

お笑いライブに出演する(左から)桂文福さん、キングダムけんたさん=神戸市中央区下山手通2

 吃音(きつおん)をきっかけに多彩な芸を磨いてきた落語家の桂文福さん率いる一座が16、17日、神戸市中央区下山手通2のライブハウス「チキンジョージ」でお笑いライブを行う。文福さんの落語と相撲甚句のほか、あがり症を克服しようと弟子入りし、師匠同様に他の芸にも打ち込む桂まめださんが南京玉すだれを披露。コロナ禍で打撃を受けたライブハウスを笑いや伝統芸の力で盛り上げたいという。(金井恒幸) 関連ニュース 大相撲ファンの噺家集結 神戸・喜楽館で「応援ウイーク」4~10日 吃音抱える落語家、桂文福さん「心を込めれば相手に伝わる。すーっと話す政治家の話、響かないでしょう?」 桂梅枝、闘病乗り越え襲名 14日、姫路で記念公演

 文福さんは1953年、和歌山生まれ。子どもの頃、吃音をからかわれて人との関わりを避けた経験がある。「人前でしゃべれるようになれば」と72年、五代目桂文枝さんに入門した。
 言葉の問題もあり当初は伸び悩んだが、「紀州弁で吃音交じりの独特の間を前面に出せばいい。歌もうまいので生かせる」と師匠が助言。転機となり、落語家ではやり手が少ない河内音頭や相撲甚句に活路を見いだした。弟子や他分野の芸人らと一座をつくり、芸に触れる機会の少ない地方を中心に「ふるさと寄席」として巡回。現在は兵庫県の赤穂観光大使も務める。
 今回のライブは、文福さんの「お笑い演芸教室」と題した創作落語や、NHKの連続テレビ小説「エール」にちなんだ昭和歌謡、紀州弁を生かした漫才などを予定。ほかにも、16日はキングダムけんたさんのギター漫談や千田やすしさんの腹話術、17日はまめださんの小噺(こばなし)や伏見紫水さんのこまの曲芸など、多彩な内容を準備する。
 文福さんは「自作の相撲甚句や河内音頭では、コロナ禍で大変な人たちへのエールも込めた内容にしたい」と意気込んでいる。両日とも午後7時開演。前売り3千円(別に飲食代千円必要)。チキンジョージTEL078・332・0146

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