昭和初期、神戸の風景記録 東京の女性、フィルム寄贈
2021/01/13 05:30
「本庄」のラベルが貼られた戦前の8ミリフィルム
神戸市中央区の今昔を掘り下げる企画「中央マンスリー 港都燦々(さんさん)」をきっかけに、2本の古い8ミリフィルムが寄せられた。箱には戦前、元町3丁目にあった写真商「本庄」のラベル。神戸映画資料館(長田区腕塚町5)に映写を依頼すると、かつての神戸の風景や暮らしぶりがよみがえった。(小尾絵生)
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フィルムの持ち主は東京在住の88歳の女性で、父親は横浜正金銀行に勤務。母親の実家のあった御影付近に住んでいた昭和10年ごろの撮影だという。
映っていたのは、煙を吐きながら海沿いを走る蒸気機関車。須磨海岸とみられ、別のカットでは、パラソルを差した和服の女性と学生服の男性が砂浜を散歩している。持ち主の女性が2歳下の弟と手をつないで歩く幼い頃の姿や、端午の節句の様子も記録されている。
同館によると、こうしたホームムービーは映写機がないこともあり、捨てられてしまうことが少なくないという。今回のケースも、女性は「手元に置いていても仕方がない」と考えていたが、取材を機に同館への寄贈を決めた。
近年は世界各国で、フィルムを持ち寄って上映するイベント「ホームムービーの日」などが催され、関心が高まっている。安井喜雄館長(72)は「貴重な映像はどこに眠っているか分からない。家庭用でも、時代の様子を伝える資料になることがある」とし、処分の前に相談を呼び掛けている。同資料館TEL078・754・8039(水、木曜休館)