20年間ありがとう 新開地のラウンドワン閉店へ
2021/01/25 05:30
3月末に閉店するラウンドワン新開地店=神戸市兵庫区新開地2
ボウリング場やゲームセンターなどの複合娯楽施設「ラウンドワン 新開地店」(神戸市兵庫区新開地2)が、3月末に閉店することが分かった。かつて「西の帝劇(帝国劇場)」と呼ばれ、新開地が最も華やかだった頃に存在した劇場「聚楽館(しゅうらくかん)」があった場所に建てられた大京聚楽館ビルのテナント。今年に入り、店前には「20年間のご愛顧ありがとうございました」などと書いた立て看板が設置されている。
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運営企業の「ラウンドワン」によると、同店は2001年4月にオープンし、地上5階建てに40レーンのボウリング場や27室のカラオケなどを備える大型店。神戸高速鉄道の新開地駅前という立地で人気を集めた。
閉店の理由について「ビルの賃貸借契約が終了するため」と説明し、新型コロナウイルスによる影響は否定している。
1913(大正2)年に東京の帝劇を模して建てられた聚楽館は、空襲の戦火を免れ、78年に閉館して65年の歴史を終えた。その後は映画館やスケートリンクなどが設けられ市民に親しまれた。
歴史的経緯を踏まえ、ビルの名称にも聚楽館の言葉が残る。直線や半円を幾何学的に組み合わせた外観は、アルファベットの「SHURAKUKAN」「KOBE」の文字が浮かび上がる趣向になっている。
近くに住む女性(82)は「華やかで目立つ存在なので、なくなるのであれば寂しい。どうなるか気になる。町内会のボウリング大会など思い出も詰まった場所」と建物を見つめた。(伊田雄馬、小谷千穂)