“水道筋愛”語る「読本」完成 著名人も寄稿「まちのよさ伝われば」

2021/02/14 05:30

完成した水道筋読本

 神戸・阪急王子公園駅から都賀川まで、10の商店街と市場が東西に連なる神戸市灘区の水道筋。コロナ禍の沈んだ気分を吹き飛ばそうと、このまちを深く愛する人たちが「水道筋読本」を作った。制作にかかわったのは水道筋に関係のある人ばかり。「まちの空気と居心地のよさが伝われば。芥川賞作家ら著名人多数が寄稿してくれて、しかも無料」と編集スタッフは胸を張る。(木村信行) 関連ニュース 「なんだこれ」珍スポットの宝庫 神戸・水道筋商店街 水道筋は「巨大なデパ地下」 450店が軒連ね千円あれば満腹 神戸・灘の「水道筋」 地名の由来は水道管


 きっかけは新型コロナだった。昨年始まった政府の支援策「Go To商店街」の対象事業に「広報活動」が含まれていた。
 水道筋をテーマにした本をいつか作りたい、と考えていた水道筋商店街協同組合理事長の永井和浩さん(56)が、「今がチャンスや」と近所の顔なじみに呼びかけた。永井さんは商店街にあるうどん店「な也」の経営者でもある。
 まちの人材は豊富だ。
 廃止寸前だった地元の摩耶ケーブルを残そうと摩耶山でフリーマーケットを開催するなど、数々の地域イベントを仕掛けるデザイナーの慈(うつみ)憲一さん(54)が企画の中心になった。
 ライターや編集者、カメラマンなど本作りのプロが「面白そう」と二つ返事で集まった。みんな、水道筋周辺で暮らす顔見知りだ。昨秋、編集作業が本格化した。
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 コンセプトは「お店紹介風のガイドブックではなく、まちの過去と未来をつなぐ読み物に」。水道筋に「住んでいる人」「住んでいた人」「通ってくる人」の20人がコラムを寄せた。
 芥川賞作家の山下澄人さん、元ラグビー日本代表の平尾剛さん、ノンフィクションライターの西岡研介さん、松本創さん、六甲山に精通した山旅愛好家の根岸真理さん…らが、水道筋愛を独自の視点でつづった。
 最後の第4章には作詞家の松本隆さん、元JリーガーでJ1「ガンバ大阪」取締役の和田昌裕さんらのインタビューまである豪華さだ。
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 「10もの市場、商店街があるのに、『水道筋』の名前を冠すれば一つになれるのがこのまちの懐の深さ。読んでもらえたら、きっと水道筋に来たくなる」と永井さん。
 B6判、154ページ。4千部発行。14日午後1時から、水道筋商店街の「ゑみや洋服店」「ヱビス屋タバコ店」、灘中央筋商店街の「西灘文化会館」でお披露目イベントをする。本の背表紙は白いままになっており、各会場に置いたはんこを押して完成させてもらう。
 灘区役所などでも配布している。

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