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「太陽の動物舎」内で、照明を浴びて過ごすイグアナ=王子動物園
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「太陽の動物舎」内で、照明を浴びて過ごすイグアナ=王子動物園
「太陽熱集熱板」を屋根一面に張ったオープン当初の様子(王子動物園提供)
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「太陽熱集熱板」を屋根一面に張ったオープン当初の様子(王子動物園提供)
暖房が効いたナマケモノの展示スペース=王子動物園
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暖房が効いたナマケモノの展示スペース=王子動物園

 神戸市立王子動物園(同市灘区)は23日から、太陽光エネルギーを照明や暖房などに活用する「太陽の動物舎」の観覧を1年ぶりに再開する。新型コロナウイルス感染症対策で屋内施設の閉鎖を続けていたが、休館中に換気扇を改修して換気機能を高めた。実はこの施設、今のように再生可能エネルギーが身近になるよりずっと前の1979年に登場。空調や照明が必須の夜行性動物・は虫類を展示するため、当時はハイテクや省エネで注目されたという。そんな由緒ある建物を訪ねた。(井上太郎)

 太陽の動物舎は、入園ゲートからゾウやアシカの展示を抜けた坂の上に立つ、広さ約930平方メートルの平屋。コンクリート造りの外観からはイメージが湧かないが、ジャングル風の内装でイグアナやワニ、カメのほか夜行性のサル、ナマケモノなど29種類の動物を飼育している。

 は虫類の水槽から、洞窟っぽく暗い夜行性コーナーに続く一方通行の順路を一番奥まで進む。むっと熱気がこもる「熱帯ゾーン」に出た。長い手足を木にひっかけて、だらん。柵の向こうにぶら下がったナマケモノは、微動だにしない。

 「動物の運動量はさておき、消費電力は園内トップクラスです」と、飼育員。真冬も昼夜30度を保つ暖房に加え、カメやワニの温水、夜行性のサルやイグアナ用の照明とくれば、仕方ない。現在は屋根の一角にある太陽光パネルで、一部をまかなっているという。

 79年のオープン当初は、太陽光エネルギーを活用する「太陽熱集熱板」が屋根一面、約450平方メートルを覆っていた。発電する現在の太陽光パネルと違い、太陽熱で温水を作って室内を暖める仕組みで、石油ショック後の時代でもあり、地方議員やホテル、設計事務所などの視察も相次いだ。

 ところが、完成後10年ほどで故障。ガス給湯器で代替し、集熱板は撤去された。さらに一部の区画は、隣のクマ舎の拡張で明け渡した。こうして「太陽の動物舎」は人知れず縮小。それでも「コンセプトは受け継ぎたかった」(担当者)といい、太陽光パネルが設置されてその名は残っている。

 コロナ禍で王子動物園は昨年3月3日から部分開放となり、4~5月は臨時休園。6月に再開したが、屋内施設は3密防止のため、その後も閉鎖が続いた。

 「人が入ってこないことに慣れてしまいつつあった。今だったら動物たちも、興味津々で人間を見てくるかもしれないですよ」と飼育員。汗ばんできた首もとを袖で拭いつつ、ナマケモノのほうを向くと、しっかりと目が合った。

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