阪神・淡路大震災の被災体験をきっかけに、還暦を目前にプロゴルファーのテストに合格し、今も大会に挑戦している古市忠夫さん(80)=神戸市長田区=の講演会がこのほど、同市東灘区住吉山手5の神戸大学付属中等教育学校であった。古市さんは震災やプロテストを振り返り、生徒らに感謝の気持ちの大切さを伝えた。
震災で古市さんの自宅は全焼。ゴルフバッグが焼け残ったことをきっかけにプロテストに挑み、2000年に59歳11カ月で合格した。
古市さんは震災で親友を亡くしたことや震災直後の救助の様子、復興区画整理事業の議論、プロテストなどを振り返り、「頑張れば頑張るほど恐怖心が出るが、頑張れることへの感謝があれば怖くなくなる」と話した。
生徒らにも「感謝日記」を付けることを提案し、「『ありがとう』と言いましょう。それで人生が変わる。夢はかなえられる」と呼び掛けた。(高田康夫)
