写真を基に「人生の記憶」描く 神戸芸工大・長沢教授が個展

2021/04/18 05:30

柔らかな筆致で仕上げた作品を披露した長沢秀之さん=デザイン・クリエイティブセンター神戸

 神戸芸術工科大(神戸市西区)の客員教授で、画家の長沢秀之さん(73)=埼玉県=の絵画展「対話『私が生まれたとき』神戸 25+1年あと(未来)の記憶」が17日、同市中央区小野浜町のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で始まった。 関連ニュース タンタン、心臓疾患疑いで投薬開始 神戸のパンダ 【詳報】神戸市の新型コロナ感染 10代と30代が最多 神戸市で新たに142人感染 新型コロナ、月曜で初の100人超

 会場には、神戸市内の30人から寄せられた写真を基に、人物や風景を淡い筆致で描いた鉛筆画など約60点を展示。阪神・淡路大震災や家族の生死など、30人それぞれの人生の記憶を丁寧にたどっている。
 武蔵野美術大(東京都)の名誉教授でもある長沢さんは、創作の一環で、鹿児島・奄美大島の人々を描いた画集を2017年に出版。神戸に奄美出身者が多いことや神戸芸工大の縁から、神戸をテーマとした制作を企画した。
 題材としたのは、学生や芸術家、会社員らから提供を受けた写真。戦争の記憶や家族の触れ合い、仕事や被災地の様子など、それぞれの人生を柔らかく描き上げた絵を、説明する文章と共に並べた。長沢さんは今回、家族との誕生や死別を描くことも多く、「震災を経験した神戸の人々は、この展示を見れば、より生死を身近に感じ、考えてもらえるのでは」と話す。
 無料、25日まで(19日は休館)。午前10時~午後6時。(初鹿野俊)

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