飲食店が野菜販売 仕入れ先農家の生産を支援 珍しい品種も 神戸

2021/05/05 05:30

定番品も、減農薬など生で味わえるようこだわって栽培した野菜が並ぶ=神戸市中央区

 新型コロナ禍で苦境にあえぐ神戸市内の飲食店の運営会社が、食材の野菜を神戸・三宮の交通センタービル1階入り口前で販売している。仕入れ先農家の生産支援が狙いだといい、ほぼ仕入れ値で販売。小さな間引きニンジン、表面が凍ったような葉物野菜のアイスプラントといった、飲食店向けの珍しい野菜も日替わりで並ぶ。(中西幸大) 関連ニュース 神戸市で137人感染 新型コロナ 神戸市で137人感染、5人死亡 新型コロナ 神戸に“行きつけ”の路上飲みスポット出現「ささやかな楽しみ奪わないで」


 販売しているのは、市内で居酒屋など7店舗を営む情熱ダイニング社(神戸市)。同社でも昨年4月に発令された1回目の緊急事態宣言以降、時短営業や休業が断続的に続く。神戸市近郊を中心とする県内の契約農家から仕入れている野菜の使用量も激減した。
 ただ、同社が仕入れている野菜は、生で食べやすいようこだわりの栽培法だったり、サラダ向けのオレンジ白菜など流通量が少ない野菜だったりするため、発注が絶えて生産が途切れると仕入れの再開が難しい品もあった。そうした野菜の生産を続けてもらうため同社は、通常営業ができない状況でも一定量の仕入れを続けているという。
 野菜の販売は、忘年会需要が吹き飛んだ昨年末から始めた。緊急事態宣言が発令された今年1~3月に続いて3度目となる今回は、4月19日から緊急事態宣言期間の5月11日まで実施。場所はテナントビルの好意で提供してもらっているという。
 紫やオレンジ色のブロッコリー、緑のカリフラワー、色とりどりのハツカダイコンなど珍しい野菜がそろう日も。同社の担当者は「飲食店も苦しいが、生産農家の方々にも厳しい思いをさせている。どれもこだわりの野菜で、珍しい品種は食べ方も説明しているので、少しでもおいしく楽しんでもらえれば」としている。
 野菜販売は、午前11時~午後1時と午後5時~午後7時の1日2回。

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