鬼滅、聖闘士星矢…犬だってコスプレしたいワン! 趣味で制作、SNSで反響

2021/09/01 05:30

人気アニメ「鬼滅の刃」の主人公らの衣装=神戸市須磨区

 「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」や「ドラゴンクエスト」など、特定の世代には懐かしいアニメやゲームなどを題材に、愛犬用の精巧なコスプレ衣装を制作する40代男性が神戸市須磨区にいる。3年ほど前から作り始め、その数は約70着。聖闘士星矢に至っては、主人公らがまとう「ブロンズクロス」(5種)や「ゴールドクロス」(12種)を完成させるこだわりぶりだ。(長嶺麻子) 関連ニュース 【写真】聖闘士星矢の主人公がまとうブロンズクロスを題材にした犬用衣装 【写真】「聖闘士星矢」のコスプレ衣装をまとったミニチュアダックスフントのアベルとティアラ 駅前に「禰豆子」や「カオナシ」出現 話題のマネキンアート、だれが制作?次回作は?


 同区の会社員、ハンドルネーム「岡忠生」さん(47)。長女がドラクエなどのコスプレ衣装を欲しがったのが制作のきっかけという。その長女も思春期に入り、衣装は愛犬のミニチュアダックスフント、アベル(3歳、雄)とティアラ(3歳、雌)用に移行していった。人間のコスプレーヤーと同様、あらゆるロケーションやイベントで撮影するなどして楽しんでいる。
 アトリエは実家の一角。図面を描き、型紙を作り、断熱材を裁断して模型用の塗料で着色。陰影をつけるなどして使い込んだ風合いを出し、リアルに再現していく。衣装は一見重そうだが、「犬の負担にならないことは絶対条件」と、主に厚さ5ミリ程度の断熱材を使用。1着80~150グラム程度と、かなり軽く仕上げている。
 衣装はドラクエ、聖闘士星矢だけでなく、「スーパーマリオ」などの往年の人気ゲームや、特撮ヒーロー「仮面ライダー」など、岡さんが子ども時代に親しんだ作品も題材に。最近はゲーム「モンスターハンター」や、アニメ「鬼滅の刃」など、新しめの人気作も扱っている。
 長女や妻と共に出掛けるコスプレイベントでは、愛らしい姿のアベルとティアラはやはり注目の的。「衣装を着てカメラを向けられると、注目されてうれしいのか、物おじせず、じっと写真を撮られています」。聖闘士星矢などは海外での人気も高く、会員制交流サイト(SNS)で紹介すると反応があるという。
 時折、「売ってほしい」などとも言われるが、「あくまで趣味」。最近は物語も一から構想し、オリジナル衣装も作るのめり込みよう。アトリエには衣装が所狭しと並ぶ。岡さんは「しかし、この技術を他にも生かせないものか」と苦笑いしながら、次の作品の構想を練る。

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