「神戸の誇り」ポートタワー営業終了 しばしの別れ、市民ら名残惜しむ
2021/09/27 05:30
改修前の最後の営業日に、展望フロアで記念写真を撮る子どもたち=神戸市中央区波止場町
26日、大規模改修前の最終営業日を迎えた神戸ポートタワー(神戸市中央区波止場町)。リニューアルオープンは2023年夏ごろに予定され、次に展望フロアに上がれるのはおよそ2年後になる。この日、ミナト神戸の眺望を目に焼き付けようと、市民らが次々と訪れた。
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【イメージ】リニューアル後の神戸ポートタワーのテラス
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展望フロアは午前中からにぎわい、ガラス越しに広がる神戸港を背景に、家族連れや観光客が記念写真を撮っていた。初めて展望フロアを訪れた兵庫県姫路市の会社員の女性(27)は「神戸らしい景色を見ておけて良かった」と喜んだ。
ポートタワーは、港を一望できるオランダ・ロッテルダムの「ユーロマスト」に着想を得て、1963年に開業。鼓形の双曲面構造が独特で「鉄塔の美女」の名でも親しまれる。
「神戸にこんな立派なタワーができて、とにかくうれしかった」と懐かしむのは、神戸市灘区の女性(73)。勤め先の慰安旅行などで東京タワーも何度か行ったが、「美しさでは負けない。神戸の誇り」。長期休業を知り数年ぶりに展望フロアに上がってみた。「寂しいけど、きれいになるのを楽しみに待つ」と、船が出ていく港を見つめた。
スマホを片手に「写真を撮りまくる」と張り切っていたのは、同市北区の女性(60)。子どもの頃、親と展望喫茶をよく利用し、自身もわが子を連れて来た。長女は昨秋、ウエディングフォトのロケ地にポートタワーを選んだそう。今回の改修ではタワーの屋上に展望歩廊が新設される。女性は「今まで以上にきれいな景色を期待している」と笑顔だった。
夜には「ファイナルイベント」と題し、メリケンパークからの音楽ライブのオンライン配信、ラジオで消灯へのカウントダウンが行われた。(井上太郎)