スマスイのマゼランペンギン「茶銀」死ぬ 国内長寿2位の雌 愛嬌たっぷりの人気者

2021/10/02 05:30

国内のマゼランペンギンで2番目に長寿だった茶銀。推定37歳で人間の110歳に相当し、大往生だった=6月、神戸市須磨区若宮町1、同市立須磨海浜水族園(同園提供)

 神戸市立須磨海浜水族園(同市須磨区)は、同園のマゼランペンギンで推定37歳だった「茶銀(ちゃぎん)」(雌)が死んだと発表した。同園は老衰とみている。国内の飼育個体では2番目に長寿とされ、人間では110歳前後に相当する。出産した子どもをはじめ、孫やひ孫、やしゃごの「茶銀ファミリー」は計61羽に上る。 関連ニュース 国内最高齢22歳、ラッコの「ラッキー」死ぬ 人間なら100歳相当 スマスイ「ペンギン広場」新設 本館のみの営業に 新スマスイのシャチに賛否 「ジンベエザメに対抗」「野生より早く死ぬ」

 茶銀は南米アルゼンチン生まれ。ペンギン専用の展示スペースが開設された1989年に来園した。普段は穏やかでおっとりした性格だが、子育ての時期は飼育員も寄せ付けない気の強さを見せていたといい、計13羽を産み育てた。愛嬌(あいきょう)のあるよちよち歩きが特徴的で広く親しまれ、2017年には市動物愛護協会から功労表彰を受けた。
 子13羽を産んだほか、孫10羽、ひ孫35羽、やしゃご3羽が生まれた。うち現在も存命なのは計40羽で、同園や他の水族館で暮らしている。子のうち、同園で過ごすのはオレンジグレー(雌、17歳)のみ。
 茶銀は、園のリニューアル工事のため、今年3月から本館3階の飼育スペースで展示していた。高齢のため背筋が曲がっていたが、体調は悪くなかったという。9月11日に死亡が確認された。
 国内で飼育下のマゼランペンギンの平均寿命は25~30歳といい、同園の43羽の中では最も年上だった。国内最高齢は宇都宮動物園(宇都宮市)の雄「グリーン」で推定38歳。(初鹿野俊)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ