神戸

  • 印刷
幼少期に事故で両手を失った小畑延子さん。等身大の言葉や、色鮮やかな紙を使った作品が目を引く=神戸市東灘区御影中町6
拡大
幼少期に事故で両手を失った小畑延子さん。等身大の言葉や、色鮮やかな紙を使った作品が目を引く=神戸市東灘区御影中町6

 幼少期に事故で両手を失い、両腕で筆を挟んで書く神戸市長田区出身の書家、小畑延子さん(78)=東京都=が、初めての作品集出版を記念した個展を同市東灘区御影中町6の「南天荘画廊」で開いている。半世紀を超える創作活動の中で、そのときどきで心に響いた言葉を力強い筆致でしたためてきた。会場には珠玉の作品31点が並ぶ。24日まで。

 小畑さんは5歳のときに近所の製材所で機械に挟まれ、両腕の肘から先を切断した。12歳で書道と出合ってから表現力を磨き、20代では日本美術展覧会で3度の入選を果たしている。

 小畑さんは両腕で筆を挟み、全身を大きく動かして書く。「体全体を使うから、線質が強い。それが私の個性」と、小畑さん。

 昨春、自身初となる作品集「轍(わだち)」を出版した。作品集には、「創作風景を撮りたい」と訪ねてきた写真家田沼武能さんの前で仕上げた書など約100点が収められた。今回の個展では、収録作品を中心に紹介している。

 小畑さんが選ぶ題材には2種類あるという。一つは、ふと思い浮かび、書きたいと感じた字そのもの。人とのつながりを大切に思う性格から愛着を感じるという「戯」、西日を受ける瓶が鮮やかで見とれた「金平糖」…。心振るわす日常をダイナミックな書風で表している。

 もう一つは、自分の気持ちを伝えたくて、ふさわしい熟語を探すパターン。横約1・3メートルの大作「天衣無縫」には「縫い目のない天女の衣のように、技巧に頼らず飾り気ない、自然体の書を書きたい」との思いが込められている。

 新型コロナウイルス禍で個展開催のタイミングを迷っていたという小畑さん。「どの作品も、日常の中から生まれた言葉。気軽に眺めて『言葉は身近で大切なもの』と感じてもらえたらうれしい」と来場を呼び掛けている。

 午前11時~午後6時(最終日は同5時まで)。入場無料。同画廊TEL078・851・6729

(井上太郎)

神戸
神戸の最新
もっと見る
 

天気(1月28日)

  • 10℃
  • 4℃
  • 10%

  • 6℃
  • 0℃
  • 50%

  • 11℃
  • 3℃
  • 10%

  • 9℃
  • 2℃
  • 30%

お知らせ