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「遙かなる満州」の稽古風景=神戸市中央区元町通2
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「遙かなる満州」の稽古風景=神戸市中央区元町通2

 劇団四紀会の座付き作家・内田昌夫(本名・久語孝雄)さん(85)の短編3本が27日から、神戸市中央区元町通2の元町プチシアター(元町プラザビル6階)で上演される。生まれ育った神戸を舞台に、戦後の世相の移り変わりをつづるオムニバス作品だ。

 内田さんは1957年の創立時からの団員で、久保孝志の名前で役者としても活動。川崎・神戸三菱造船所の大争議を描いた「ああ八月の陽(ひ)の如(ごと)く」(78年)、阪神・淡路大震災の仮設住宅を舞台にした「炎夏四度・こうべ」(98年)などで創作劇路線を支えた。

 今回は、作家4人によるオムニバスシリーズ「ラジオ・マジック」(2013~18年)に提供した作品を昭和・平成・令和の三部作として再構成した。

 「東京キッド」は、空襲で母親とはぐれた浮浪児と巡査の物語。自身も闇市を肌で知り、「子どもが恐れ知らずで元気があった」という時代の空気を描く。

 「遙(はる)かなる満州」は、ごみ屋敷に独居する老女が主人公。民生委員をしていたときの見聞から発想したといい、母親を外地で亡くした引き揚げ者の心の傷と、戦争を忘れた社会とのずれを浮き彫りにする。

 「暑がりじいさん、寒がりばあさん」は、老老介護の体験を反映。いたわり合って暮らす姿の中に、子どもが東京に出てしまった寂しさをにじませる。

 「言葉の温かみをせりふに書きたくなる」と内田さん。身近な庶民の喜怒哀楽を取り上げてきたが、「ひとつの芝居として時代をたどると、人間が冷たくなってきた」と感じる。「地方に活気がなくなり、先行きが見えにくい時代にどう立ち向かえばいいのか、もやもやしたものが胸に残れば」と話している。

 27、28日完売。12月4、5日は午前11時と午後3時から。各回35人。一般2500円、学生1200円(当日は各500円増)。(田中真治)

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