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「何で嫌いな野菜を食べないとダメなのか」という質問に答える木村彰宏さん(右)=神戸市長田区庄山町1、いたやどクリニック
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「何で嫌いな野菜を食べないとダメなのか」という質問に答える木村彰宏さん(右)=神戸市長田区庄山町1、いたやどクリニック

 いつの時代も、子どもの疑問は素朴で鋭い。神戸市長田区の「いたやどクリニック」でこの秋、院長の木村彰宏さん(70)が、小学生以下限定で身近な質問を募ったところ、延べ175人から日頃考えている「不思議」が集まった。インターネットや辞典などを駆使し、人生経験も加味しながら回答していったものの、正解がないものもたくさん。診療所の壁にずらりと張られた質問紙には、みずみずしい柔軟な発想が満ちていた。(霍見真一郎)

 同クリニックは、小児アレルギー外来などで知られ、子どもの患者が多い。コロナ禍でも触れ合いのきっかけになればと木村さんが企画し10月末まで募集。5歳から12歳の子どもたちが、診療所内に設置したポストに応募した。木村さんは連日悩みながら回答を書き、診療所内の壁に張り出した。

 「なんでべんきょうしなきゃいけないの」(7歳女児)。つい「黙ってやりなさい」と言ってしまう質問だが、木村さんは子どもの立場で回答する。「おとながべんきょうしているところって、あんまりみないのに、子どもだけべんきょうしなさいって、ふこうへいだね」。その上で、大人も見えない場所で勉強している、とフォローする。

 9歳男児は、「なぜ大人になったら東京に行く人が多いか」と質問した。木村さんは「大きな会社や大学も、東京にはたくさんあるよね。だから、東京に住む人がふえるんだ。だけど、山や海がすきな人は、東京は苦手だよ」と首都圏と地方それぞれの長所を指摘。「東京に住んでも、神戸に住んでも、好きな人といっしょなら、きっとすてきな所になるよ」と語り掛けた。

 動物や昆虫についての質問も多い。「サメはどうしてはのかずがおおいのか」→「歯磨きをしないので、2~3日で新しい歯と交換」▽「ダンゴムシのあしはなんぼん」→「ずかんでしらべたら14ほん」▽「犬はどれぐらい目が見えるの」→[視力けんさをすると、0・2から0・3くらい」…。並んだ回答は、大人にとっても新鮮な内容ばかりだ。

 中には、意表を突いた質問もある。8歳女児は「なんでねこは、どらねこなんですか」と尋ねた。木村さんは、野良猫よりも悪さをする猫のことを指す、と答えた上で、「どら猫」とは言うけど「どら犬」とは言わないことにも触れた。

 人類・宇宙の起源や時間の概念、病気に至るまで、多種多様な疑問に対する回答は、見ているだけで楽しいが、貫かれているのは子どもに寄り添う目線だ。例えば6歳女児の「おつきさまはなんであかるくひかるの」という質問。木村さんは「お月さまは、そらの上にいるから、でんきはとどかないよ。『まっくらだったら、さびしい』って、お月さまがいうものだから、お日さまがお月さまをてらして、あかるくしてるんだ」と答えた。

 木村さんは「学習塾などでは最短で正答を導く訓練が行われているが、世界には答えがない疑問が多くある。子どもたちの自由な発想に触れて、うれしくなった」と話していた。年末まで掲示しているという。

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