コーヒービール、国際大会で栄冠 神戸の焙煎コーヒー専門店 職人の知恵と工夫で逸品
2021/12/10 05:30
香り高くフルーティーな味わいの「メリケンコーヒービール」を手にする大西賢さん=神戸市灘区水道筋6
今や多彩なビールが広まり、「コーヒービール」もその一つ。苦みが強調されそうな組み合わせだが、神戸市灘区の自家焙煎(ばいせん)コーヒー専門店「花梨(かりん)コーヒーラボ・ロースターズ」がクラフトビールメーカーと共同開発した「メリケンコーヒービール」は香り高くフルーティーな味わいで人気を呼んでいる。2021年の国際ビール審査会ではカテゴリー別のチャンピオンに輝いた。(長嶺麻子)
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同店を営む大西賢さん(52)は国内外のコーヒー鑑定士や抽出士の資格を持つコーヒーのプロだ。ビールの副原料に果実や香辛料などが認められると、コーヒーを使ったクラフトビールを研究。製品化に向け醸造所の協力を求めた。
その熱意をくんだのは神奈川県横須賀市のクラフトビール醸造所。職人同士の共同作業で各種ビールとコーヒー豆の相性を確かめ、コーヒー豆の焙煎度合いを何度も調整した。20年2月、第1弾が完成した。
製造過程では一次発酵の麦汁に短時間、二次発酵の後期にじっくりつけ込む。「コーヒー味のビールと思われそうだが、実はホップの苦みがコーヒーの苦みに打ち消され、酸味、甘みが生まれる」と大西さん。「焙煎の度合いでビールの味を変えられるのも面白い」という。
職人のこだわりが詰まったメリケンコーヒービールは、9月に横浜市で開かれた国際ビール審査会「インターナショナル・ビアカップ2021」(日本地ビール協会など共催)に出品。国内外943銘柄が11のカテゴリーで審査され、メリケンコーヒービールは「フルーツ&スパイス」のカテゴリーで頂点に輝いた。
大西さんは「職人同士の知恵と工夫で完成したビール。自分に自信がついた」。11月には酒類の販売免許も取得し、店でメリケンコーヒービールの販売もスタートさせた。「味の意外性を楽しんでほしい」と話す。1本770円。花梨コーヒーラボ・ロースターズTEL078・778・3981