停泊中の船にしがみつく女性 男性2人、仕事用のロープ使い救助「ためらわず助けられた」 神戸
2021/12/14 05:30
のじぎく賞を伝達された清中善太郎さん(左から2人目)と東英伸さん(同3人目)=東灘署
神戸市東灘区魚崎西町の海に転落して溺れた女性を助けたとして、兵庫県警東灘署は、いずれも「きんでん」神戸支店神戸営業所(同市兵庫区)に勤務する東(ひがし)英伸さん(43)=同市灘区=と清中善太郎さん(30)=同市西区=に県の善行賞「のじぎく賞」を伝達した。
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同署によると、2人は10月1日正午ごろ、電気工事の合間に東灘区魚崎西町1に止めた車の中で昼食を取っていたところ、慌てた様子の釣り人から「海に人がいるから助けてほしい」と声を掛けられたという。
急いで岸壁に向かうと、15メートルほど先の海上に停泊中の船の先端に、女性(28)がしがみついていた。一緒にいた同僚に119番を頼んだ後、2人は工事のため常備していたロープを女性の方に投げ、はしごを岸から海に降ろした。
しかし、女性は体が冷えて握力が弱り、自力で上ってこられなかった。そこで、清中さんが岸壁の海面近くの足場に下りて下から女性を支え、東さんが岸に引っ張り上げた。女性は病院に搬送されて低体温症と診断されたが、命に別条はなかった。
10月下旬に東灘署であった伝達式で、日高一行署長から表彰状を受けた2人は「ためらわずに助けられた。使える道具があってよかった」と話していた。(斎藤 誉)